大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問34 (世界史B(第5問) 問6)
問題文
あるクラスで、次の写真を基に、授業が行われている。
先生:これは関帝といって、『三国志演義』の物語で活躍する関羽という武将が神様として祭られています。
高橋:横浜の中華街にある関帝廟なら聞いたことがあります。でもどうして日本で祭られているのでしょうか。
先生:それは、中国から日本に移り住んだ人々が建てたものです。日本では神戸や長崎などにもありますし、アジア各地にはたくさんあります。
杉本:へえ、いろんな所にあるんですね。そんなに広がったのはなぜなんでしょうか。
先生:古くから中国人は周辺地域に進出していましたが、19世紀以降、世界中でb 中国人の移民が急増しました。横浜の関帝廟も明治維新前後に最初の廟が建てられました。
松井:古代の人物がそんなに祭られているのが不思議ですが、どういう理由があるのでしょうか。
先生:関羽は勇猛な武将として、まず軍神として祭られました。乾隆帝は( エ )を征服しましたが、ムスリムが多く住む( エ )の各地にも関帝廟を建てて、王朝の威光を示しました。その一方で、民衆の間では財神、つまり商売繁盛の神様として信仰を集めました。
高橋:だから各地の中華街でも祭られているわけですね。なぜ商売繁盛の神様になったのでしょうか。
先生:関羽の出身地とされる山西省の山西商人たちが祭り始めたためとも言われています。彼らが全国的な商業活動を展開した( オ )の時代から( カ )ことも関帝の信仰が各地に広がった背景にあるでしょう。
前の文章中の空欄(オ)に入れる語あ・いと、空欄(カ)に入れる文X・Yとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
(オ)に入れる語
あ 唐
い 明
(カ)に入れる文
X 同業・同郷者の互助・親睦のために会館や公所が設けられた
Y 黄河と大運河とが交わる地点に都が置かれ、商業の中心となった

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問34(世界史B(第5問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
あるクラスで、次の写真を基に、授業が行われている。
先生:これは関帝といって、『三国志演義』の物語で活躍する関羽という武将が神様として祭られています。
高橋:横浜の中華街にある関帝廟なら聞いたことがあります。でもどうして日本で祭られているのでしょうか。
先生:それは、中国から日本に移り住んだ人々が建てたものです。日本では神戸や長崎などにもありますし、アジア各地にはたくさんあります。
杉本:へえ、いろんな所にあるんですね。そんなに広がったのはなぜなんでしょうか。
先生:古くから中国人は周辺地域に進出していましたが、19世紀以降、世界中でb 中国人の移民が急増しました。横浜の関帝廟も明治維新前後に最初の廟が建てられました。
松井:古代の人物がそんなに祭られているのが不思議ですが、どういう理由があるのでしょうか。
先生:関羽は勇猛な武将として、まず軍神として祭られました。乾隆帝は( エ )を征服しましたが、ムスリムが多く住む( エ )の各地にも関帝廟を建てて、王朝の威光を示しました。その一方で、民衆の間では財神、つまり商売繁盛の神様として信仰を集めました。
高橋:だから各地の中華街でも祭られているわけですね。なぜ商売繁盛の神様になったのでしょうか。
先生:関羽の出身地とされる山西省の山西商人たちが祭り始めたためとも言われています。彼らが全国的な商業活動を展開した( オ )の時代から( カ )ことも関帝の信仰が各地に広がった背景にあるでしょう。
前の文章中の空欄(オ)に入れる語あ・いと、空欄(カ)に入れる文X・Yとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
(オ)に入れる語
あ 唐
い 明
(カ)に入れる文
X 同業・同郷者の互助・親睦のために会館や公所が設けられた
Y 黄河と大運河とが交わる地点に都が置かれ、商業の中心となった

- あ ― X
- あ ― Y
- い ― X
- い ― Y
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (1件)
01
この問題は、関帝信仰が中国各地、さらには海外へ広がっていった背景として、どの時代にどのような商人活動が展開され、どのような社会的仕組みが整っていたのかを問うものです。
関羽を祭る関帝信仰は、商売繁盛の神として中国各地や中華街に広まりました。
その背景には、山西商人をはじめとした中国の豪商たちの活躍があります。
問題文では、「彼らが全国的な商業活動を展開した(オ)の時代から(カ)ことも、関帝の信仰が広がった背景にある」とあります。
まず(オ)に入る時代を考えます。
あ:唐
→唐は貿易が盛んになった時代ですが、山西商人が全国に展開したのはもっと後の時代です。
い:明
→明代になると山西商人が活動の最盛期を迎えました。
彼らは全国の塩業・金融・運送など多方面で活躍し、その商売の守り神として関羽を祭る習慣が広がりました。
したがって、(オ)は い:明 が適切です。
次に(カ)に入る説明を見ます。
X:同業・同郷者の互助・親睦のために会館や公所が設けられた
→これは中国の都市や移民先で、商人や職人たちが建てた会館(会所)に関帝廟が併設された事例と一致します。
商人が集まる場所で信仰が強まりました。
Y:黄河と大運河とが交わる地点に都が置かれ、商業の中心となった
→これは宋代の開封を指す内容で、関帝信仰とは時代も背景も異なります。
したがって、(カ)はXが適切です。
誤りです。
誤りです。
正しいです。
誤りです。
関帝信仰は、明代の山西商人の全国的活動をきっかけに広まり、商人たちが建てた会館などでの互助活動と結びついて各地へと浸透しました。
よって、最も適当な組合せは、「い―X」です。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問33)へ
令和4年度(2022年度)本試験 問題一覧
次の問題(問35)へ