大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問43 (日本史B(第2問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問43(日本史B(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のリツさんは、日本古代の法は、中国の法にならって編纂(へんさん)されたことを教わった。そこで、先生の助言を受けて、日本古代の法整備の歴史と、中国の法典をもたらした遣隋使・遣唐使の派遣について、年表にまとめて整理してみた。この年表を読んで、後の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

リツさんは、年表の下線部bが、最初の本格的な戸籍とされていることを知った。そこで、日本古代の戸籍や計帳について調べてみた。次の史料は、正倉院に残る古代の計帳である。この史料に関して述べた後の文a~dについて、最も適当なものの組合せを、後のうちから一つ選べ。

a この戸で、調・庸を納めるのは5人であることが分かる。
b 計帳からは、年ごとの戸の人数の変動が分かる。
c 逃亡した奴や婢は、計帳から削除されており、解放されたと考えられる。
d 黒子の位置が記されているのは、本人を特定するためと考えられる。
問題文の画像
  • a・c
  • a・d
  • b・c
  • b・d

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、日本の古代に作られた『戸籍や計帳』について理解しているかどうかを確かめる問題です。

 

 

それぞれの記述を確認します。

 

a この戸で、調・庸を納めるのは5人であることが分かる。

調(ちょう)や庸(よう)は、古代の税です。

調・庸を納める義務があるのは、『正丁』といわれる成人男性(21〜60歳)です。

史料を見ると「課口一人」とあり、この戸では正丁は1人です。

他は女性や子ども、奴婢(ぬひ)などで、調・庸を納める義務はありません。

つまり、この戸で調・庸を納めるのは1人だけで、5人ではありません。
よって、この記述は適切ではありません。

 

 

b 計帳からは、年ごとの戸の人数の変動が分かる。

史料には、「去年の計帳」「今年の計帳」という言葉があります。

去年と今年で戸にいる人数が変化したことを示しているので、この記述は適切です。

 

 

c 逃亡した奴や婢は、計帳から削除されており、解放されたと考えられる。

史料には「逃」とあります。

これは逃亡したという意味で、奴や婢が逃亡したことは記録されていますが、それが『解放された』ことを意味するわけではありません。

逃亡者は見つかれば捕らえられ、解放とは異なります。
よって、この記述は適切ではありません。

 

 

d 黒子の位置が記されているのは、本人を特定するためと考えられる。

史料には「左下脾黒子(左の脇腹に黒子)」というように身体的特徴が書かれています。

これは、逃亡したり、他の戸と間違えたりしないように本人を区別するための記録です。
よって、この記述は適切です。

 

 

したがって、

正しい記述の組合せは、b・dです。

選択肢1. a・c

誤りです。

選択肢2. a・d

誤りです。

選択肢3. b・c

誤りです。

選択肢4. b・d

正しいです。

まとめ

適切な内容は、「bとd」の組合せになります。

この計帳は、人数の変化や本人特定に使われていたことが分かります。

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