大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問50 (日本史B(第3問) 問5)
問題文
先生:私たちの暮らす日本は、四方を海に囲まれています。昔の人は、海の向こうに極楽浄土を見たり、龍宮城の物語を想像したりしてきました。
ひろみ:海には様々なイメージが与えられ、海と深い関わりを持つ独特の文化が育まれてきたのですね。
先生:中世になると、a 各地に港町ができて、海上交通がより発達します。海上交通が発達すれば、b 国内外の流通が活発になって技術革新や各地の特産物が生まれ、それらを扱う様々な職能を持つ職人が登場します。例えば、四国で生産された藍が京都へ運ばれ、染め物に使われるようになりました。
ひろみ:c 朝鮮からは、木版印刷の大蔵経ももたらされたのですよね。印刷技術が発達して、情報の伝播は飛躍的に高まったのでしょうね。
先生:よく知っていますね。このような流通を活発化させたのが、倭寇のような海をまたいで活動する人たちです。やがてはヨーロッパ人まで交流に加わることで、地球規模の海のネットワークに広がっていきます。
ひろみ:そうですか。倭寇は、ただの海賊だと思っていました。歴史上重要な役割を担っていたのですね。
先生:そうです。さらに、戦国の争乱は列島各地で人・物・文化の移動を加速させました。鉄砲などの新しい軍事技術を普及させ、アジアやヨーロッパから出版文化がもたらされます。ただ、こうした海をめぐる動きについては、まだまだ謎が多いのです。最近、海底の発掘調査が進んでいるみたいで、今後はd 考古遺跡からもいろんなことが明らかになるかもしれませんね。
下線部dに関連して、中世の遺跡を示した次の文X・Yと、その場所を示した後の地図上の位置a~dとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X 和人を館主(たてぬし)とする館の跡で、越前焼と珠洲焼の大甕に入った37万枚余りの銅銭が発見された。
Y 沖合の海底の沈没船から元軍や高麗軍が使用したてつはうや矢束、刀剣、冑(かぶと)のほか、陶磁器や漆製品が発見された。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問50(日本史B(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
先生:私たちの暮らす日本は、四方を海に囲まれています。昔の人は、海の向こうに極楽浄土を見たり、龍宮城の物語を想像したりしてきました。
ひろみ:海には様々なイメージが与えられ、海と深い関わりを持つ独特の文化が育まれてきたのですね。
先生:中世になると、a 各地に港町ができて、海上交通がより発達します。海上交通が発達すれば、b 国内外の流通が活発になって技術革新や各地の特産物が生まれ、それらを扱う様々な職能を持つ職人が登場します。例えば、四国で生産された藍が京都へ運ばれ、染め物に使われるようになりました。
ひろみ:c 朝鮮からは、木版印刷の大蔵経ももたらされたのですよね。印刷技術が発達して、情報の伝播は飛躍的に高まったのでしょうね。
先生:よく知っていますね。このような流通を活発化させたのが、倭寇のような海をまたいで活動する人たちです。やがてはヨーロッパ人まで交流に加わることで、地球規模の海のネットワークに広がっていきます。
ひろみ:そうですか。倭寇は、ただの海賊だと思っていました。歴史上重要な役割を担っていたのですね。
先生:そうです。さらに、戦国の争乱は列島各地で人・物・文化の移動を加速させました。鉄砲などの新しい軍事技術を普及させ、アジアやヨーロッパから出版文化がもたらされます。ただ、こうした海をめぐる動きについては、まだまだ謎が多いのです。最近、海底の発掘調査が進んでいるみたいで、今後はd 考古遺跡からもいろんなことが明らかになるかもしれませんね。
下線部dに関連して、中世の遺跡を示した次の文X・Yと、その場所を示した後の地図上の位置a~dとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X 和人を館主(たてぬし)とする館の跡で、越前焼と珠洲焼の大甕に入った37万枚余りの銅銭が発見された。
Y 沖合の海底の沈没船から元軍や高麗軍が使用したてつはうや矢束、刀剣、冑(かぶと)のほか、陶磁器や漆製品が発見された。

- X ― a Y ― c
- X ― a Y ― d
- X ― b Y ― c
- X ― b Y ― d
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この過去問の解説 (1件)
01
中世の遺跡からは、当時の人々の活動や海外との関係を示す貴重な資料が見つかっています。
設問では、二つの遺跡(XとY)と地図上の地点(a〜d)との対応関係が問われています。
Xの遺跡の内容確認
「和人を館主とする館の跡で、越前焼と珠洲焼の大甕に入った37万枚余りの銅銭が発見された」
→ これは北海道・渡島半島の上之国勝山館跡のことを指します。
日本海側の流通や北方との交易が分かる遺跡であり、地図上のa(北海道南部)が該当します。
Yの遺跡の内容確認
「沖合の海底の沈没船から元軍や高麗軍が使用したてつはうや矢束、刀剣、冑のほか、陶磁器や漆製品が発見された」
→ これは元寇で沈んだ元軍の船の海底遺跡(長崎県・鷹島沖)のことを指します。
地図上のc(九州北部沖合)が該当します。
よって、正しい組合せは
X ― a Y ― c
となります。
正しいです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
中世の考古遺跡からは、戦争の記録や貿易の痕跡が見つかり、当時の人々の活動をより深く理解する手がかりになります。
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