大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問63 (日本史B(第6問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問63(日本史B(第6問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

日本において鉄道が開通して、2022年で150年を迎える。日本における鉄道の歴史とその役割について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

明治初期、政府によって産業育成が図られる一環として、a 1872年、新橋―横浜間に鉄道が開通した。後に大阪―神戸間も開通するなど、当初、鉄道は大都市と開港した港を結ぶ路線が敷設された。鉄道は、気候に大きく左右されず、時間が正確なため、各地の産物を都市や港に輸送する手段として用いられ地域の産業発展に寄与した。例えば、横浜と鉄道で結ばれた群馬県や長野県からは、開港以来の主要輸出品である( ア )が輸送された。また、九州では、産業革命のエネルギー源である( イ )が鉄道により積出し港まで輸送された。
b 産業発展に伴い、旅客輸送と貨物輸送はいずれも鉄道を中心に拡大するとともに、鉄道の駅を中心とした周辺地域との貨物輸送や都市内の旅客・貨物輸送が盛んになった。貨物輸送では、駅からの輸送において、荷車や馬車などの利用が増加する一方、河川を利用した舟運はその地位を低下させた。旅客輸送では、第一次世界大戦後に、市電やバス、地下鉄などの都市内交通が発展した。また、国内を中心に展開した鉄道網は、c 20世紀以降の日本の対外関係の下、帝国内の旅客・貨物輸送の双方において重要な役割を持った

下線部cに関連して、20世紀以降の日本の対外関係のなかで、鉄道に関わる諸政策・事件を説明した次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後のうちから一つ選べ。

Ⅰ 奉天郊外において、張作霖が乗っていた列車が爆破された。
Ⅱ 南満州鉄道株式会社が設立された。
Ⅲ 段祺瑞政権に対して、鉄道建設にも関わる巨額の経済借款を与えた。
  • Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
  • Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
  • Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
  • Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
  • Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
  • Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

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この過去問の解説 (1件)

01

20世紀以降の日本の対外関係の中で鉄道に関わる諸政策・事件は、ほぼ中国で起こった出来事を聞かれます。

満州事変、その先の日中戦争へ至る背景として頻出の部分でもありますので、しっかり把握しておきましょう。

 

Ⅰ:奉天郊外において、張作霖が乗っていた列車が爆破された。(1928年)

 満州支配を目論む日本の関東軍は、満州の有力者であった張作霖が関東軍に非協力的だったために起こした事件です。

 満州事変への布石となりました。

Ⅱ:南満州鉄道株式会社が設立された。(1906年)

 1904年に起こった日露戦争で勝利した日本は、ポーツマス条約でロシアの権益であった鉄道敷設権を得ました。

 そして長春以南の鉄道営業権を得た日本が設立したのが南満州鉄道株式会社です。

Ⅲ:段祺瑞政権に対して、鉄道建設にも関わる巨額の経済借款を与えた。(1917年)

 1911年に起こった辛亥革命後、中国は軍閥が派閥争いを始め分裂します。

 日本は北京政府(段祺瑞政権)を支持し、経済援助をすることで満州・中国北部での影響力を拡大しようとしました。

 その見返りとして鉄道敷設権などを得ようとしました。

選択肢1. Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢2. Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢3. Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢4. Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ

正しいです。

選択肢5. Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢6. Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

誤りです。

まとめ

日本国内の政治とも密接に関わるので、ぜひ政治の流れも合わせて理解していきましょう。

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