大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問83 (地理B(第3問) 問6)
問題文
次の図は、日本の大都市圏郊外に位置し、1970年代に入居が始まったニュータウン内のある地区における人口ピラミッドを時期別に示したものであり、J~Lは、1975年、1995年、2015年のいずれかである。また、後の文サ~スは、いずれかの時期に地区で生じていた現象を述べたものである。J~Lとサ~スとの組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
サ この地区で生まれ育った人たちが就職・結婚などを機に転出し、学校の統廃合の議論が活発化した。
シ 住宅の建設が同時期に集中し、公共サービスの供給が追いつかず、学校が新設・増設された。
ス 住宅の老朽化や空き家の発生といった住環境の悪化が生じ、学校の跡地利用が進んだ。

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問83(地理B(第3問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
次の図は、日本の大都市圏郊外に位置し、1970年代に入居が始まったニュータウン内のある地区における人口ピラミッドを時期別に示したものであり、J~Lは、1975年、1995年、2015年のいずれかである。また、後の文サ~スは、いずれかの時期に地区で生じていた現象を述べたものである。J~Lとサ~スとの組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
サ この地区で生まれ育った人たちが就職・結婚などを機に転出し、学校の統廃合の議論が活発化した。
シ 住宅の建設が同時期に集中し、公共サービスの供給が追いつかず、学校が新設・増設された。
ス 住宅の老朽化や空き家の発生といった住環境の悪化が生じ、学校の跡地利用が進んだ。

- J:サ K:シ L:ス
- J:サ K:ス L:シ
- J:シ K:サ L:ス
- J:シ K:ス L:サ
- J:ス K:サ L:シ
- J:ス K:シ L:サ
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、日本のニュータウン(1970年代に入居が始まった郊外住宅地)の人口構成が、時間の経過とともにどう変化したかを読み取り、それぞれの時期に対応する社会現象(サ〜ス)を適切に結びつける力が問われます。ニュータウンは「同時期に多くの若い世代が一斉に入居する」という特徴があるため、その後数十年にわたって一斉高齢化・若者流出・空き家問題などの段階的な変化が見られます。
設問と合いません。誤りです。
設問と合いません。誤りです。
設問と合いません。誤りです。
設問と合いません。誤りです。
設問と合いません。誤りです。
設問と合っています。正解です。
覚えておくべきポイント:
ニュータウンでは、「同時期入居 → 同時期子育て → 同時期高齢化」という人口変化のサイクルが特徴です。
1970年代(入居直後)=若い子育て世代が集中 → 保育・教育施設の不足が問題
1990年代=若年層の転出 → 生徒数減少 → 学校の統廃合
2010年代以降=高齢化進行、空き家や学校跡地の再利用が課題
参考になった数0
この解説の修正を提案する
02
J~Lの人口ピラミッドの特徴を概観してみましょう。
Jは65歳以上の割合が高く、14歳以下の割合が低い特徴があります。
Kは0-4歳、30-34歳の割合が他の年齢層より高い特徴があります。
Lは20-24歳、45-49歳の割合が他の年齢層より高い特徴があります。
・「この地区で生まれ育った人たち」が転出をし、「学校の統廃合の議論が活発化」される時期は上記Lの時期です。子どもたちが結婚・就職を機に流出し始めており、児童数減少による社会のあり方が議論され始めます。(サーL)
・「住宅の建設が同時期に集中」し、「学校が新設・増設」される時期は上記Kの時期です。若い夫婦と子どもが流入してきたと考えられます。(シーK)
・「住宅の老朽化や空き家」が発生し、「住環境の悪化」が生じている時期は上記のJの時期です。住民の高齢化が進み、児童が減少したことで使用されなくなった学校の跡地の利用が課題となっています。(スーJ)
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
適切です。
この設問は1975年、1995年、2015年の「20年刻み」で生じる地域での諸課題を表しています。昨今、我が国で議論されている「空き家問題」や「少子高齢化対策」にも通じることがある良問です。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
J―ス、K―シ、L―サ の組合せが最も適当です。
ニュータウンにおける人口ピラミッドは、
①入居直後の若年層集中期
②子どもが成長し始める成熟期
③住民が高齢化し空き家が増える老年期
という三段階で変化します。
図の形と各時期の現象を照合すると、上記の対応になります。
【各組合せの理由】
・J―ス
Jは65歳以上が大きく膨らみ、0~14歳が極端に細いため、地区全体が高齢化しています。
この段階では住宅の老朽化や空き家の発生が進み、児童数減少で余った学校跡地の再利用が課題になります。
文スの内容と一致します。
・K―シ
Kは0~4歳と30~34歳がともに突出し、ピラミッドの中央部が細く上下に張り出す「ひし形」です。
これは入居開始直後に若い夫婦と幼い子どもが大量に移り住んだことを示します。
住宅供給に公共サービスが追いつかず、学校を新設・増設したというシの現象と合致します。
・L―サ
Lは45~54歳が最も多く、20歳前後が減り始めている形です。
第1世代の子どもたちが就職・結婚で転出し始め、地域の児童・生徒数が縮小方向に向かいます。
このため学校の統廃合が議論されるサの状況に当てはまります。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
正しいです。
ニュータウンでは、入居が集中した年から約20年後に子ども世代の転出が始まり、約40年後には高齢化と空き家問題が表面化します。
今回の図は、その典型的なライフサイクルを示しています。
人口構成を読むことで、地域が直面する課題(教育施設の整備・統廃合、住環境の再生など)を具体的に予測できる点がポイントです。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問82)へ
令和4年度(2022年度)追・再試験 問題一覧
次の問題(問84)へ