大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問93 (地理B(第5問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問93(地理B(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

長野県飯田(いいだ)市の高校に通うリュウさんたちは、飯田市の地域調査を行った。この地域調査に関する次の問いに答えよ。

リュウさんたちは、1947年の大火をきっかけに飯田駅の南東側で大規模な復興事業が実施されたことを知った。そこで、リュウさんたちは市街地にどのような大規模火災の被害軽減策がみられるかを観察し、地点E~Hで写真を撮影し、次の資料1にまとめた。大規模火災の被害軽減策として当てはまらないものを、地点E〜Hのうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • E:斜めに横断することもできる交差点
  • F:公園にも利用されている緑地帯
  • G:建物の間隔を広げてつくられた小道
  • H:中央分離帯のある幅の広い道路

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この過去問の解説 (2件)

01

飯田市では1947年の大火をきっかけに、火災の延焼を防ぐ都市構造が復興時に整備されました。その特徴として、幅の広い道路や緑地帯、公園、小道の配置などがあります。その中で、地点E~Hに見られる風景のうち、火災被害の軽減策に直接的には当てはまらないものを1つ選ぶ必要があります。

選択肢1. E:斜めに横断することもできる交差点

写真を見ると、交差点は広く視界も開けており、車両や人の動きもスムーズ。しかし、これは主に交通の利便性や都市デザインの工夫であり、火災の被害軽減策とは直接関係が薄いといえます。不適切です。

選択肢2. F:公園にも利用されている緑地帯

緑地帯や公園は、延焼を防ぐ「防火帯(火除け地帯)」としての役割があります。火災の拡大を防ぐために有効です。適切です。

選択肢3. G:建物の間隔を広げてつくられた小道

建物同士の間隔を広げることは、延焼の遮断に効果的です。火が隣に燃え移るリスクを下げる設計です。適切です。

選択肢4. H:中央分離帯のある幅の広い道路

中央分離帯や広い道路は、延焼の遮断に役立ちます。また、消防車の通行にも適しています。適切です。

まとめ

覚えておくポイント

幅の広い道路・緑地帯・公園・建物間のスペースは火災の延焼を防ぐ。

火災対策は、防火帯・避難路・消防活動のしやすさが重視される。

都市復興計画では防災も考慮して道路配置や土地利用が設計される。

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02

地点Eは、大規模火災の被害軽減策とは言えません。

 

Eの写真が示す交差点は歩行者が斜めに横断できるように整備されたもので、主目的は交通円滑化や歩行者の安全確保です。

火の延焼を防ぐ構造とは直接関係しません。

一方、F・G・Hはいずれも防火帯や建物間隔の確保など、火災時に延焼を食い止める効果が期待できます。

選択肢1. E:斜めに横断することもできる交差点

幅22 mの道路と幅40 mの緑地帯が交わっていますが、写真やキャプションで強調されているのは斜め横断という交通機能です。
道路幅そのものは延焼抑制に役立つものの、ここで注目されている要素は防火対策ではありません。

選択肢2. F:公園にも利用されている緑地帯

幅40 mの帯状空間が連続し、樹木が植えられています。
広い緑地帯は燃えにくい空間をつくり、炎の飛び火を防ぐ定番の防火帯です。

選択肢3. G:建物の間隔を広げてつくられた小道

狭いながらも建物同士を離して通気路・避難路を確保しています。
延焼の連鎖を断ち、消火活動の導線にもなるため、防火対策とみなせます。

選択肢4. H:中央分離帯のある幅の広い道路

車道と緑化された分離帯を合わせると相当な幅員があります。
広幅員道路+緑化は強力な遮断帯となり、延焼防止に大きく寄与します。

まとめ

飯田駅南東側の復興市街地では、
・幅広い道路・緑地帯(F・H)
・建物間隔を確保した通路(G)
延焼遮断帯や避難路として機能します。

対してEで取り上げられている「斜め横断」は交通施策であり、防火上の狙いは読み取れません。

大規模火災対策を判断するときは、空間が「火の通り道を切るか」「避難・消火に役立つか」を基準に考えると整理しやすくなります。

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