大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問36 (日本史B(第1問) 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問36(日本史B(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

マリさんとケントさんは、高校の授業で「地図から考える日本の歴史」という課題研究に取り組むために、各自で地図を持ち寄り話し合うことになった。次の二人の会話や資料を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

マリ:私は、鎌倉時代に作られた地図1を持ってきたよ。
ケント:これが日本地図?左に東日本が描かれているよね。
マリ:中国地方の一部と九州地方は残っていないんだけどね。山城国を起点に、畿内・七道を線で結んでいるんだ。
ケント:七道は古代の道路で、a 古代の行政区分でもあるんだよね?諸国の形は大ざっぱだね。
マリ:畿内・七道それぞれに諸国の位置関係が分かれば良かったんじゃない?これと同じくらいの時期に作られた地図で、地図2も持ってきたよ。九州、四国と本州の西側の部分だけが残ってるんだ。
ケント:日本列島の周りを取り囲んでいるのは何だろう?
マリ:龍だという説があるよ。その外側には、b この地図が作製された時点で実在していた国のほかに、すでに存在しない国や、想像上の国も描かれているんだって。
ケント:へえ、面白いね。「羅刹(らせつ)国」や「雁道(かりのみち)」が想像上の国なんだ。
マリ:c 古代や中世の境界に対する意識は、それぞれ異なった特徴がありそうだね。

下線部bに関連して、中世における東アジアの出来事について述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

Ⅰ  幕府は、天龍寺の造営のために元に貿易船を派遣した。
Ⅱ  元への服属に抵抗した三別抄が反乱を起こし、日本に援軍を求めた。
Ⅲ  尚巴志が三山を統一して琉球王国を建てた。
問題文の画像
  • Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
  • Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
  • Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
  • Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
  • Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
  • Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正しい選択肢は「Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ」です。

 

Ⅱ の三別抄の乱は1270〜73年の出来事であり、文永の役(元寇)の前年に当たります。

Ⅰは1341年に室町幕府の武将・足利直義が、元に貿易船を派遣した出来事です。

Ⅲの琉球王国の建国は、1429年の出来事です。

 

したがって、Ⅱ 「三別抄の乱」→Ⅰ「天龍寺船の派遣」→Ⅲ「琉球王国の建国」となります。

選択肢1. Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢2. Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢3. Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ

正解です。

1270〜73年「三別抄の乱」→Ⅰ1341年「天龍寺船の派遣」→Ⅲ1429年「琉球王国の建国」です。

選択肢4. Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ

誤りです。

選択肢5. Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢6. Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

誤りです。

まとめ

三別抄の乱とは、珍島および済州島を拠点として、1270〜73年にかけて高麗の残党の三別抄軍がモンゴル帝国に抵抗を続けた事件であり、これにより日本への元の侵攻が遅れたと言われています。また、三別抄は鎌倉幕府に対し援軍要請の牒状を送りました。

続く天龍寺船の派遣南北朝時代の1341年であり、僧侶の夢窓疎石の嘆願を受けて、天龍寺の造営費を賄うため、室町幕府によって行われました。

最後の尚巴志による三山の統一と琉球王国の建国は、1429年です。


三別抄の乱が文永の役の前年であることと、天龍寺船を派遣したのが南北朝時代の室町幕府であること、琉球王国の建国が15世紀前半であることなどを把握しておくと、時系列は把握しやすいです。

参考になった数0

02

正しい年代順は 「Ⅱ → Ⅰ → Ⅲ」 です。

 

三別抄の乱(1270〜1273年)

天龍寺船の派遣(1342・1347年)

尚巴志による琉球王国成立(1429年)

選択肢1. Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢2. Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢3. Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ

1270年代の三別抄の乱 → 1340年代の天龍寺船 → 1429年の琉球王国成立という実際の時系列と一致します。

選択肢4. Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ

誤りです。

選択肢5. Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢6. Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

誤りです。

まとめ

三別抄の乱は元(モンゴル帝国)への抵抗を示す13世紀後半の出来事で、これが最も早い時期に当たります。
次に、室町幕府が天龍寺建立資金を得るために元へ送った貿易船(天龍寺船)が14世紀中頃に派遣されました。
最後に、尚巴志が三山を統一して琉球王国を建国したのが15世紀前半です。
これらの出来事は、中世東アジアでの政治・経済・文化の交流と対立を示しており、日本周辺の国々が互いに深く関わっていたことを物語っています。

参考になった数0