大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問42 (日本史B(第2問) 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問42(日本史B(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

日本古代の陰陽道の歴史について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

a 陰陽道は、中国から伝来した暦学や天文学、陰陽五行思想などに基づき、徐々に形成されていった。
律令制下ではそれらの技術や思想を管轄するb 陰陽寮が設置された。陰陽寮は天文、暦や時刻のことに携わり、異変があった時には、国家的な災害や異変の予兆かどうか判定を行った。地方においても、大宰府には律令制定段階から陰陽師が置かれた。
9世紀以降、情勢が不安定となった東北地方や東国にも陰陽師が置かれるようになった。一方、c 怨霊や疫神をまつって災厄をのがれようとする信仰が広まるなか、陰陽寮に属する陰陽師たちは災害や異変の元凶を取り除く祭祀(さいし)にも従事していった。10世紀になると陰陽師は、天皇や貴族たち個人の要請にも応え、事の吉凶を占ったり、呪術を施したりした。

下線部bに関連して述べた次の文X・Yと、それに該当する役所a~dとの組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

X  陰陽や天文、暦の技術は国家から重視されたため、陰陽寮は、天皇の詔書作成などを担当する八省筆頭の役所の下に置かれた。
Y  安倍晴明は陰陽寮の官人として出仕したが、天皇のそばに仕えて機密文書を扱う役所で陰陽師としても活動した。

a  兵部省
b  中務省
c  蔵人所
d  検非違使庁
  • X ― a  Y ― c
  • X ― a  Y ― d
  • X ― b  Y ― c
  • X ― b  Y ― d

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

陰陽寮は中務省の下に置かれ、安倍晴明は蔵人所でも陰陽師として活動しました。

したがって、組合せは「X―b  Y―c」です。

 

 

【各選択肢の検討】

中務省(b)
中務省は八省の筆頭で、天皇の詔書や公文書をまとめる役所でした。

国家が重視した天文・暦などの仕事を担当する陰陽寮は、この中務省に所属していたのでXの説明と一致します。

 

兵部省(a)・検非違使庁(d)
兵部省は軍事、検非違使庁は警察・裁判を担います。

どちらも詔書作成には関わらず、陰陽寮の上位機関でもないためXには不適当です。

検非違使庁の主業務は治安維持で、陰陽師が常駐した例はなく、Yの説明とかみ合いません。

 

蔵人所(c)
蔵人所は天皇に近侍して機密文書を扱う役所で、陰陽の儀式や占いも行いました。

安倍晴明は蔵人所付きの陰陽師としても活躍した記録があり、Yの説明と合致します。

選択肢1. X ― a  Y ― c

誤りです。

選択肢2. X ― a  Y ― d

誤りです。

選択肢3. X ― b  Y ― c

正しい組み合わせです。

選択肢4. X ― b  Y ― d

誤りです。

まとめ

・陰陽寮の所属:八省筆頭の中務省

・安倍晴明の活動場所:天皇のそばで機密文書を扱う蔵人所

この二つを踏まえると、正しい組合せは「X―b  Y―c」となります。

参考になった数0