大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問46 (日本史B(第3問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問46(日本史B(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、中世の京都について調べている高校生のユウカさんとキョウさんとの会話である。この文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

ユウカ:中世の京都の特徴って何だろう。中世にも政治を担う権力者たちが多く住んでいたと思うんだけど、なんだか印象が薄い気がする。
キョウ:でも実際に、a 平安時代後期から鎌倉時代に政治を担った権力者たちが新しい仏教の流行に乗って平安京周辺に多くのお寺を造らせているよ
ユウカ:中世は仏教が栄えた時代と教わったけど、中国から最先端の教えがいち早く京都に伝わったのは、権力者が深く関わっていたからかな。政治の中心であったからこそ、京都に最先端の文化が伝わったってことだね。
キョウ:いくつか本を読んでみると、京都に住む権力者たちに物資が集まったことによって、京都の経済がどんどん発達していったことが強調されているよ。
ユウカ:b 室町幕府が京都の経済活動に深く関わっていたことはよく聞くなあ。
キョウ:そういえば、経済が発達したことによってc 様々な芸術や文化が発達したと書いている本もあったよ。戦乱によって荒廃した京都が富裕な商工業者たちによって復興されたように、京都の経済活動は活発だったみたい。
ユウカ:この図1は戦国時代の京都の地図だよね。黒い丸が集まっているけど、何を示しているんだろう。
キョウ:黒い丸は、戦国時代の酒屋の位置を示していて、丸の大きさによって、酒屋が負担した税の額を表しているんだよ。大きな丸が多いから、この頃の酒屋にはたくさんの銭が集まっていたんだろうね。もしかすると、黒い丸の場所の地中にはものすごい量の銭の入った容器が眠っているかもよ。
ユウカ:史料だけではなくて、発掘調査の報告書や当時の様子を描いた絵画を見ることも、中世の京都について詳しく知るための参考になりそうだね。

戦国時代の京都における商業の中心地を調べる方法に関して述べた次の文X・Yと、その調査対象に該当する語句a~dについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

X  発掘調査の報告書によって、これがまとまって出土した場所を調べる。
Y  史料や京都を描いた絵画によって、これが所在した場所を調べる。

a  甕
b  農具
c  見世棚
d  関所
問題文の画像
  • X ― a  Y ― c
  • X ― a  Y ― d
  • X ― b  Y ― c
  • X ― b  Y ― d

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この過去問の解説 (1件)

01

「Xーa(甕) Yーc(見世棚)」 を当てはめるのが最も適切です。


甕(かめ)は発掘調査で銭を納めたまま多数出土することがあり、商取引が盛んな区域を物的に示します。

一方、見世棚(みせだな)は京都を描いた洛中洛外図などの絵画や町並みを記した文献に具体的な所在地が描かれており、史料調査で商業の中心を探る手がかりになります。

選択肢1. X ― a  Y ― c

最も適当な組み合わせです。

選択肢2. X ― a  Y ― d

誤りです。

選択肢3. X ― b  Y ― c

誤りです。

選択肢4. X ― b  Y ― d

誤りです。

まとめ

発掘で大量の甕が見つかる場所は、銭や酒の流通拠点であった可能性が高く、戦国期京都の商業コアを示します。

逆に洛中洛外図などに描かれた見世棚の密集地を史料から読み取れば、当時の賑わう市街地を特定できます。

以上より、正しい組合せは 「X―a Y―c」 です。

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