大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問47 (日本史B(第3問) 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問47(日本史B(第3問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、中世の京都について調べている高校生のユウカさんとキョウさんとの会話である。この文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

ユウカ:中世の京都の特徴って何だろう。中世にも政治を担う権力者たちが多く住んでいたと思うんだけど、なんだか印象が薄い気がする。
キョウ:でも実際に、a 平安時代後期から鎌倉時代に政治を担った権力者たちが新しい仏教の流行に乗って平安京周辺に多くのお寺を造らせているよ
ユウカ:中世は仏教が栄えた時代と教わったけど、中国から最先端の教えがいち早く京都に伝わったのは、権力者が深く関わっていたからかな。政治の中心であったからこそ、京都に最先端の文化が伝わったってことだね。
キョウ:いくつか本を読んでみると、京都に住む権力者たちに物資が集まったことによって、京都の経済がどんどん発達していったことが強調されているよ。
ユウカ:b 室町幕府が京都の経済活動に深く関わっていたことはよく聞くなあ。
キョウ:そういえば、経済が発達したことによってc 様々な芸術や文化が発達したと書いている本もあったよ。戦乱によって荒廃した京都が富裕な商工業者たちによって復興されたように、京都の経済活動は活発だったみたい。
ユウカ:この図1は戦国時代の京都の地図だよね。黒い丸が集まっているけど、何を示しているんだろう。
キョウ:黒い丸は、戦国時代の酒屋の位置を示していて、丸の大きさによって、酒屋が負担した税の額を表しているんだよ。大きな丸が多いから、この頃の酒屋にはたくさんの銭が集まっていたんだろうね。もしかすると、黒い丸の場所の地中にはものすごい量の銭の入った容器が眠っているかもよ。
ユウカ:史料だけではなくて、発掘調査の報告書や当時の様子を描いた絵画を見ることも、中世の京都について詳しく知るための参考になりそうだね。

下線部aに関連して、平安京の周辺に造られた寺院に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

Ⅰ  法皇が法勝寺を造立して巨大な仏塔を築き、権勢を誇った。
Ⅱ  極楽浄土を表現した阿弥陀堂を中心とする法成寺が造営された。
Ⅲ  禅宗が宋から伝来し、禅宗寺院が建立された。
問題文の画像
  • Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
  • Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
  • Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
  • Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
  • Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
  • Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

正しい年代順は 「Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ」 です。

 

 

【各選択肢(寺院)の成立時期】

Ⅱ:法成寺(ほうじょうじ)
藤原道長が阿弥陀堂を中心に造営(完成 1022年)しました。

平安京東郊に極楽浄土を再現した最初期の阿弥陀堂形式です。

 

Ⅰ:法勝寺(ほっしょうじ)
白河法皇が造立(着工 1077年)しました。

高さ約80mの八角九重塔で「六勝寺」の筆頭です。

院政期の権威を示しました。

 

Ⅲ:禅宗寺院の建立
宋から帰朝した栄西らによって禅宗が伝来し、1202年に建仁寺などが創建されました。

鎌倉時代の禅宗流行の幕開けです。

選択肢1. Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢2. Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢3. Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ

正しい年代順です。

選択肢4. Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ

誤りです。

選択肢5. Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢6. Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

誤りです。

まとめ

平安京周辺では、11世紀に摂関家・院政期の権力者が次々と大規模寺院を建立し、その後13世紀に禅宗の新風が加わりました。

この年代順を押さえると、中世京都の宗教と政治の結び付きが理解しやすくなります。

参考になった数0