大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問52 (日本史B(第4問) 問2)
問題文
ナツ:江戸時代の武士たちの結びつきってどんなものだったのかな?
アキ:例えば彦根藩士や対馬藩士は、自分たちを「井伊掃部頭(かもんのかみ)家中」「宗対馬守家中」と称しているよね。
ナツ:同じ主君に仕える家臣たちは、主君の家の一員とみなされ、一体感があったようだね。庶民はどうだったのかな?
アキ:人口の大半を占める百姓たちは、日頃は村で過ごして、村や地域の中で深い結びつきをもっていたんじゃないかな。
ナツ:電車やインターネットもない時代だから、遠くにいる人との結びつきは限られていただろうね。
アキ:でも、17世紀前半に、( ア )ことなどによって、江戸と全国を結ぶ陸上交通が発達したんだよね。
ナツ:17世紀中頃までには、( イ )ために、水上交通も発達したんだね。
アキ:特に都市ではa 商人や職人が仲間・組合をつくるようになり、幕府も物価統制などにそれを活用したことも知られているね。
ナツ:町内のつながりや商人・職人の仲間以外にも、都市では緩やかな結びつきがあったんじゃないかな。b 文化的な結びつきも広がっていったみたいだね。
アキ:水上交通といえば、船が漂流して、外国に漂着することもあったみたい。c 近隣諸国との間で、漂流した人々を送り返すことも行われていたようだよ。海外ともいろいろな形で結びついていたことが分かるね。
下線部aに関連して、商人や職人の仲間・組合やそれに関わる政策に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
Ⅰ 幕府は、輸入生糸を糸割符仲間に一括して購入させる制度を始めた。
Ⅱ 江戸では、問屋仲間の連合体である十組問屋が結成された。
Ⅲ 幕府は、商人や職人の仲間を株仲間として広く公認したほか、銅座や真鍮座、人参座を設けた。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問52(日本史B(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
ナツ:江戸時代の武士たちの結びつきってどんなものだったのかな?
アキ:例えば彦根藩士や対馬藩士は、自分たちを「井伊掃部頭(かもんのかみ)家中」「宗対馬守家中」と称しているよね。
ナツ:同じ主君に仕える家臣たちは、主君の家の一員とみなされ、一体感があったようだね。庶民はどうだったのかな?
アキ:人口の大半を占める百姓たちは、日頃は村で過ごして、村や地域の中で深い結びつきをもっていたんじゃないかな。
ナツ:電車やインターネットもない時代だから、遠くにいる人との結びつきは限られていただろうね。
アキ:でも、17世紀前半に、( ア )ことなどによって、江戸と全国を結ぶ陸上交通が発達したんだよね。
ナツ:17世紀中頃までには、( イ )ために、水上交通も発達したんだね。
アキ:特に都市ではa 商人や職人が仲間・組合をつくるようになり、幕府も物価統制などにそれを活用したことも知られているね。
ナツ:町内のつながりや商人・職人の仲間以外にも、都市では緩やかな結びつきがあったんじゃないかな。b 文化的な結びつきも広がっていったみたいだね。
アキ:水上交通といえば、船が漂流して、外国に漂着することもあったみたい。c 近隣諸国との間で、漂流した人々を送り返すことも行われていたようだよ。海外ともいろいろな形で結びついていたことが分かるね。
下線部aに関連して、商人や職人の仲間・組合やそれに関わる政策に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
Ⅰ 幕府は、輸入生糸を糸割符仲間に一括して購入させる制度を始めた。
Ⅱ 江戸では、問屋仲間の連合体である十組問屋が結成された。
Ⅲ 幕府は、商人や職人の仲間を株仲間として広く公認したほか、銅座や真鍮座、人参座を設けた。
- Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
- Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
- Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
- Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
- Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
- Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (1件)
01
まず、例示の3つについて確認しましょう。
・「幕府は、輸入生糸を糸割符仲間に一括して購入させる制度を始めた。」とは、糸割符制度のことで、慶長9年(1604)に幕府が、茶屋四郎次郎に生糸交易に関する糸割符仲間をつくらせたのが始まりです。
・「江戸では、問屋仲間の連合体である十組問屋が結成された。」の十組問屋とは、元禄7年(1694)に結成された江戸と大坂間の荷物運送の仲間のことです。江戸、大阪間の荷物運送のトラブル回避が目的とされています。
・「幕府は、商人や職人の仲間を株仲間として広く公認したほか、銅座や真鍮座、人参座を設けた。」の株仲間とは、問屋など同業者の集まりのことです。座も同じことで、中世で使われた言葉です。江戸幕府は、当初株仲間に反対でしたが、八代将軍徳川吉宗の頃から商業の統制のために利用するようになります。
適切です。
不適切です。
不適切です。
不適切です。
不適切です。
不適切です。
商人や職人が仲間・組合をつくるのは、江戸時代以前からありました。当時はこれを「座」といいました。
当初、幕府は、自由な交易を前提としており、仲間をつくらせるのは、トラブル回避等の理由がありました。
しかしながら、社会が成熟し商業が発展してくると、商業統制の観点から同業組合を作らせて上納金などを取るようになりました。これを株仲間と呼びました。株とは、同業組合への参加資格のようなものです。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問51)へ
令和5年度(2023年度)本試験 問題一覧
次の問題(問54)へ