大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問60 (日本史B(第6問) 問2)
問題文
四方を海に囲まれた日本では、漁業が発展し、魚介類(甲殻類も含む)が盛んに消費されてきた。近海の漁獲量だけでは消費を支えられなくなった明治以降、日本の漁場は拡大した。その過程でロシア沿海に着目した日本は、a 日露戦争の勝利を受けてロシアと漁業協約を締結して漁場を確保した。
b 既存の塩干しや新たに登場した缶詰などの保存技術に支えられて日本の漁場が拡大するなか、1920~1930年代に漁業紛争が発生した。北太平洋ではc アメリカと漁場を巡って外交問題が生じた。また、d 東シナ海・黄海でも、中国との間で、漁場を巡る紛争が頻発した。
下線部bに関連して、魚介類の保存技術が見られる作品に関して述べた次の文X・Yと、その作品が制作された時代について述べた後の文a~dとの組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
X 荒縄でつるされた塩鮭を題材とする絵が、高橋由一によって描かれた。
Y 蟹の缶詰め作業に従事する労働者を題材とする小説が、小林多喜二によって書かれた。
a 西洋の産業技術や社会制度、生活様式を取り入れて、文化や生活の西洋化を推進しようとする、文明開化の風潮が生じていた。
b 第一次世界大戦後の都市化と工業化の進展のなかで、市民の生活や文化の洋風化が進んだ。
c 日清戦争前後における労働力需要の高まりのなかで、待遇改善を求める手段として、工場労働者たちによるストライキがはじまった。
d 各府県に特別高等警察が置かれ、共産主義運動に対する取り締まりが強化された。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問60(日本史B(第6問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
四方を海に囲まれた日本では、漁業が発展し、魚介類(甲殻類も含む)が盛んに消費されてきた。近海の漁獲量だけでは消費を支えられなくなった明治以降、日本の漁場は拡大した。その過程でロシア沿海に着目した日本は、a 日露戦争の勝利を受けてロシアと漁業協約を締結して漁場を確保した。
b 既存の塩干しや新たに登場した缶詰などの保存技術に支えられて日本の漁場が拡大するなか、1920~1930年代に漁業紛争が発生した。北太平洋ではc アメリカと漁場を巡って外交問題が生じた。また、d 東シナ海・黄海でも、中国との間で、漁場を巡る紛争が頻発した。
下線部bに関連して、魚介類の保存技術が見られる作品に関して述べた次の文X・Yと、その作品が制作された時代について述べた後の文a~dとの組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
X 荒縄でつるされた塩鮭を題材とする絵が、高橋由一によって描かれた。
Y 蟹の缶詰め作業に従事する労働者を題材とする小説が、小林多喜二によって書かれた。
a 西洋の産業技術や社会制度、生活様式を取り入れて、文化や生活の西洋化を推進しようとする、文明開化の風潮が生じていた。
b 第一次世界大戦後の都市化と工業化の進展のなかで、市民の生活や文化の洋風化が進んだ。
c 日清戦争前後における労働力需要の高まりのなかで、待遇改善を求める手段として、工場労働者たちによるストライキがはじまった。
d 各府県に特別高等警察が置かれ、共産主義運動に対する取り締まりが強化された。
- X ― a Y ― c
- X ― a Y ― d
- X ― b Y ― c
- X ― b Y ― d
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この過去問の解説 (1件)
01
「Xーa Yーd」 の組合せが最も適当です。
【各選択肢の検討】
Xーa
高橋由一が描いた荒縄づりの塩鮭は、1870年代後半の油彩画です。
明治政府が殖産興業を掲げ、西洋技術や文化の導入を急いだ文明開化期にあたり、油絵という西洋画法そのものが時代を象徴します。
したがってaが最もふさわしい背景となります。
Yーd
小林多喜二の『蟹工船』(1929年発表)は、北洋のカニ工船で働く労働者を描き、資本家を批判した代表的なプロレタリア文学です。
当時は治安維持法改正(1928)を機に特別高等警察による共産主義運動の取締りが一層強化されていました。
したがってdがこの作品の制作時期と社会状況を的確に示します。
b(大戦後の都市化・文化の洋風化)は関東大震災前後のモダン都市文化を指し、『蟹工船』の社会背景(弾圧とプロレタリア文学)とはずれます。
c(日清戦争前後の労働争議の始まり) は1890年代で、作品の年代とは合いません。
誤りです。
正しい組み合わせです。
誤りです。
誤りです。
高橋由一『塩鮭図』は文明開化を象徴する明治初期の洋画→a
小林多喜二『蟹工船』は特高警察下でのプロレタリア文学→d
したがって正しい組合せは 「X―a Y―d」 です。
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