大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問71 (地理B(第1問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問71(地理B(第1問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

自然環境と自然災害に関する次の問いに答えよ。

次の図7は、日本のある地域について陰影をつけて地形の起伏を表現したものであり、図8は、図7と同じ範囲の地形を分類して示したものである。図8中の凡例マ~メは、旧河道、自然堤防、扇状地*、台地・段丘のいずれかである。また、後の選択肢①~④は、マ~メのいずれかにおいて豪雨時に想定される危険性についてそれぞれを比較して述べたものである。凡例メの危険性について述べた文として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
*崖崩れの堆積物による地形を含む。
問題文の画像
  • 一部で浸水の危険性はあるが、土砂災害の危険性は低い。
  • 一部で土砂災害の危険性はあるが、浸水の危険性は最も低い。
  • 浸水の危険性は最も高いが、土砂災害の危険性は低い。
  • 土砂災害の危険性は最も高いが、浸水の危険性は低い。

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は「一部で土砂災害の危険性はあるが、浸水の危険性は最も低い。」です。

 

図7を読み取ります。

北西部に険しい山地があり、そこから土砂が流出して扇状地が形成されてます。

北東から南にかけて曲線状の細い高所があり、自然堤防を成しています。

山地と自然堤防の間には沖積平野があり、激しい蛇行を繰り返す旧河道の跡が見られます。また平野のところごころには微高地が点在します。

そして南東部には洪積台地が残されています。

 

「マ」は、沖積平野上の微高地で土砂災害の恐れは低いものの、豪雨時には自然堤防が決壊し浸水の恐れが非常に高いです。

そのため微高地の集落には水屋といって基礎と土台を高くした家が見られます。

 

「ミ」は沖積平野上を蛇行する旧河道の跡です。現在の河道は人口堤防によって整備されているため、流路がコンパクトに定められています。

 

「ム」は、扇状地に当たり、山地からの土砂の流入が激しいですが、扇状地は平野より高所にあるので浸水の恐れは少ないです。

 

「メ」は、一部浸食が見られる台地です。浸水の恐れはなく、また起伏も少ないので土砂災害の恐れも多くはありません。

 

 

 

 

 

選択肢1. 一部で浸水の危険性はあるが、土砂災害の危険性は低い。

誤りです。

 

選択肢2. 一部で土砂災害の危険性はあるが、浸水の危険性は最も低い。

正答です。

選択肢3. 浸水の危険性は最も高いが、土砂災害の危険性は低い。

誤りです。

 

選択肢4. 土砂災害の危険性は最も高いが、浸水の危険性は低い。

誤りです。

扇状地についての説明です。

★扇状地ではよく果樹園が卓越します。

まとめ

扇状地、自然堤防と後背湿地、そして台地について土地利用も含めて理解しましょう。

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02

凡例メは台地・段丘に当たるため、豪雨時に想定される危険性は
「一部で土砂災害の危険性はあるが、浸水の危険性は最も低い。」
が最も適当です。

 

 

凡例メ

図8でメは細い水平線のパターンで、主流の外側に広く分布しています。

これは河岸から一段高い面(段丘面や台地)を示す図式で、氾濫原の自然堤防や旧河道、山麓の扇状地とは位置・形が異なります。

段丘面は洪水面より高いため浸水しにくい一方、段丘崖や谷沿いでは斜面崩壊が起こることがあります。

選択肢1. 一部で浸水の危険性はあるが、土砂災害の危険性は低い。

誤りです。

選択肢2. 一部で土砂災害の危険性はあるが、浸水の危険性は最も低い。

正しいです。

選択肢3. 浸水の危険性は最も高いが、土砂災害の危険性は低い。

誤りです。

選択肢4. 土砂災害の危険性は最も高いが、浸水の危険性は低い。

誤りです。

まとめ

段丘や台地は洪水位より高所にあるため浸水リスクは小さいものの、縁辺の急斜面では崖崩れなどの土砂災害が生じる可能性があります。

これが凡例メの地形が抱える典型的な豪雨時リスクと言えます。

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