大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問72 (地理B(第2問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問72(地理B(第2問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

資源と産業に関する次の問いに答えよ。

食物を長期間保存する手段の一つに缶詰がある。次の図1は、缶詰に利用される主な金属の生産国とその割合を示したものであり、アとイは、アルミニウムと粗鋼のいずれかである。また、後の図2は、それらの原料の主な産出地を示したものであり、凡例AとBは、ボーキサイトと鉄鉱石のいずれかである。粗鋼に該当する記号と、鉄鉱石に該当する凡例との正しい組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
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  • ア ― A
  • ア ― B
  • イ ― A
  • イ ― B

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は「イ―B」です。

 

この問題はアルミニウムと鉄という重要な金属資源の分布地と、その生産国に関する問題です。

重要なのは、資源分布地とその加工・生産国は異なるということです。

 

「アルミニウム」

熱帯の土壌ラトソルの中にアルミニウムの原材料であるアルミナが含まれています。

これを電気分解してアルミニウムを作るため、安価で膨大な電力が必要となります。

そのため、アルミナはカナダなどの水力発電が卓越している地域に輸出され、そこでアルミニウムに加工されます。

カナダをカギとして、「アとA―アルミニウムと判断します。

★水力発電は火力・原子力発電に対して安価に電力を作ることが出来ます。

 

「粗鋼」

粗鋼、すなわち鉄の原材料である鉄鉱石は、オーストラリア大陸中西部や中国内陸部、アメリカ中央平原などの安定陸塊に分布します。

アメリカ北部のメサビ鉄山や、オーストラリア西岸で多く産出します。

アルミナと違い鉄鉱石は産出地近くですぐに溶鉱炉を使って鉄を抽出し、質量が軽くなった状態で輸出します。

これは輸送費用を抑えるためです。

ただし、日本や韓国では鉄鋼業が発達しており、鉄鉱石のまま輸入を受け入れ、京浜工業地帯などの沿岸部にある鉄鋼加工工場で溶鉱炉を通して鉄を生産・輸出しています。

よって「イとBー粗鋼」と判断します。

 

 

選択肢1. ア ― A

誤った組み合わせです。

選択肢2. ア ― B

誤った組み合わせです。

選択肢3. イ ― A

誤った組み合わせです。

選択肢4. イ ― B

正しい組み合わせです。

まとめ

アルミニウムと鉄は現代工業の必須金属です。

それぞれ原材料の分布と加工地の分布の違いを押さえておきましょう。

 

中国は国政政策により過剰に鉄鋼やアルミニウムを生産、不当な価格で輸出を行っているので、判断材料になりません。

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02

正しい組み合わせは「イ―B」です。

 

図1(生産国構成)

:中国の次にインド・日本・ロシア・韓国・アメリカ合衆国が並ぶ。
→世界の粗鋼上位6か国(2019 年)と完全に一致します。

 

:中国の次がインド・ロシア・カナダ・オーストラリアなどで、アメリカ・日本・韓国が見えない。
→これは世界の一次アルミニウム生産国の顔ぶれです。

 

よって 粗鋼=イ

 

 

図2(鉱石産地分布)

凡例A(△)はギニア・ブラジル北部・ジャマイカ・豪州北部など熱帯~亜熱帯のラテライト地帯に集中。
→典型的なボーキサイト分布です。

 

凡例B(■)は豪州ピルバラ・ブラジル南東部・カナダラブラドル・スウェーデン・ロシア等中~高緯度にも広く分布
→世界の鉄鉱石主産地に一致します。

 

したがって 鉄鉱石=B

選択肢1. ア ― A

誤りです。

選択肢2. ア ― B

誤りです。

選択肢3. イ ― A

誤りです。

選択肢4. イ ― B

正しいです。

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