大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問74 (地理B(第2問) 問3)
問題文
次の図4は、二つの地域における漁獲量*と養殖業生産量の推移を示したものであり、カとキは、南アメリカの太平洋沿岸国**と東南アジアのいずれかである。また、図4中のDとEは、漁獲量と養殖業生産量のいずれかである。南アメリカの太平洋沿岸国と漁獲量との正しい組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
*養殖業生産量を含まない。
**エクアドル、コロンビア、チリ、ペルー。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問74(地理B(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
次の図4は、二つの地域における漁獲量*と養殖業生産量の推移を示したものであり、カとキは、南アメリカの太平洋沿岸国**と東南アジアのいずれかである。また、図4中のDとEは、漁獲量と養殖業生産量のいずれかである。南アメリカの太平洋沿岸国と漁獲量との正しい組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
*養殖業生産量を含まない。
**エクアドル、コロンビア、チリ、ペルー。

- 南アメリカの太平洋沿岸国:カ 漁獲量:D
- 南アメリカの太平洋沿岸国:カ 漁獲量:E
- 南アメリカの太平洋沿岸国:キ 漁獲量:D
- 南アメリカの太平洋沿岸国:キ 漁獲量:E
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は「南アメリカの太平洋沿岸国:カ 漁獲量:D」です。
この問題は世界各地の水産業についての理解を求められています。
「南アメリカ太平洋沿岸国」
エクアドル、コロンビア、チリ、ペルーの沿岸にはフンボルト海流という寒流が流れ込み、イワシやサバの好漁場となります。しかしながら近年はエルニーニョ現象の多発により漁獲量が年ごとに大きく変動します。また1970年代前半は特に★エルニーニョ現象が顕著で、チリやペルーの漁獲量は壊滅に近い状態になりました。またこの時期の第一次オイルショックによる燃料費の高騰も影響しています。
一方養殖業を見ると、南アメリカ太平洋沿岸諸国の太平洋側は非常に乾燥した砂漠地帯が南北に伸びており、養殖に適した内湾などが存在しないため、養殖業の発達はしていません。
よって図4ではカが南アメリカの太平洋沿岸国に当たり、漁獲量はD、養殖業がEです。
★エルニーニョ現象:フンボルト海流が弱まり、海水温が上昇する現象
「東南アジア諸国」
1960年代の植民地からの独立以後、国内生産用だけではなく輸出用の漁獲が成長します。マグロやカツオの好漁場に位置し、日本や欧米諸国向けに輸出が増加します。
しかし2000年代以降、マングローブ林を切り開いてエビなどの養殖が急速に発展します。日本の食卓に届くクルマエビのほとんどは、この東南アジア諸国での養殖によるものです。
よって図4ではキが東南アジア諸国に当たり、Dが漁獲量、Eが養殖業です。
正しい組み合わせです。
誤った組み合わせです。
誤った組み合わせです。
誤った組み合わせです。
各地域の地形や気候、海流について確認しましょう。
また各年代の社会情勢の知識も生かせます。
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02
南アメリカの太平洋沿岸国に当たるのは カ、その漁獲量に当たる系列は D です。
したがって正しい組合せは
「南アメリカの太平洋沿岸国:カ 漁獲量:D」 となります。
カのグラフ(左図)の特徴
実線Dが1960年代半ばに急増し、1970年代前半に急落、その後も1990年代に再度2000万トン規模まで急増・急減を繰り返します。
破線Eは1960年代はほぼゼロで、2000年代以降にようやくゆるやかに増えます。
この「捕獲漁業が乱高下し、養殖はわずか」というパターンはペルー・チリなどのアンチョベータ(カタクチイワシ)の遠洋漁獲とエルニーニョによる不漁の変動をよく示しています。
キのグラフ(右図)の特徴
実線Dが一貫して増加するが変動は小さいです。
破線Eが1990年代から急激に伸び、2010年ごろにDを追い越し2018年には2500万トン規模になります。
捕獲漁よりも養殖生産が近年急拡大しているのは東南アジア諸国(タイ・ベトナム・インドネシアなど)の典型です。
カでは実線Dが主で急変動=捕獲漁獲量
破線Eはわずか=養殖生産量
よって「漁獲量:D」が成立するのはカです。
正しい組み合わせです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
ペルーなど南米太平洋沿岸国はアンチョベータ依存で捕獲量が大きく変動し、養殖は小規模です。
一方、東南アジアは近年エビ・魚類の養殖が急増しています。
グラフの動きと地域特性を照合すると、「カ:南米太平洋沿岸国 D:漁獲量」が最も適切です。
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