大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問75 (地理B(第2問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問75(地理B(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

資源と産業に関する次の問いに答えよ。

次の図5は、いくつかの国における米の栽培カレンダーを示したものであり、①~④は、イタリア、インドネシア、コートジボワール、チリ*のいずれかである。コートジボワールに該当するものを、図5中の選択肢のうちから一つ選べ。
*中南部。
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この過去問の解説 (2件)

01

正答は「②」です。

 

基礎知識を整理しましょう。

 

稲作:年間降水量が1000ml以上の温帯域で、夏季に栽培されます。熱帯雨林気候(Af)では通年の栽培が可能です。

 

イタリア:北半球に位置する温帯の地中海性気候(Cs)です。

 

インドネシア:ほぼ赤道直下に位置し、熱帯雨林気候(Af)です。

 

コートジボワール:アフリカ象牙海岸、サハラ砂漠の南縁に位置し、サバナ気候(Aw)です。

 

チリ:南半球に位置し、北半球とは夏と冬の時期が逆転します。

選択肢1. ①

イタリアです。

 

イタリアではリゾットなどの料理のために、北部のポー川下流域の平野で稲作が行われています。

温帯地域なので日本と同様、春に播種し長い生育期間を経て秋に収穫をします。

地中海性気候で夏の降水量がほとんどないため、近代的な灌漑施設を設けています。

選択肢2. ②

コートジボワールです。

 

熱帯地域下で稲作には好適ですが、サバナ気候のため雨季と乾季がはっきりしており、二期作、三期作を行うことが出来ません。

4月から12月の間に、長い播種期間・収穫期間を設けています。

コートジボワールでは主食はキャッサバやヤム芋ですが、近年は食糧危機に備えて稲作の普及に努めています。しかしながら灌漑施設などのインフラ不足が課題となっています。

選択肢3. ③

インドネシアです。

 

赤道直下のインドネシアでは年間を通して温暖かつ多雨なため、主食であるコメの二期作・三期作を行うことが出来ます。

課題として、圃場整備が遅れているため小規模で不整形な水田を手作業で行わざるを得ず、非常に労働集約的です。

選択肢4. ④

チリです。

 

南半球に位置するため栽培期間が北半球の国々とは逆になり、10月から4月に稲作が行われます。

選択肢を絞る際、一番最初に④を判断することが出来ます。

まとめ

農作物の中でも稲は重要な作物なので、どのような特徴の作物なのか、適した気候が何なのか確認しましょう。

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02

コートジボワールに当たるのは 「②」 です。

選択肢1. ①

4〜5月ごろに作付けし、10〜11月に収穫する1期作のみです。

温帯の夏作型で、北半球南ヨーロッパに見られる栽培暦です。
→イタリアの稲作に相当します。

選択肢2. ②

雨季の始まりに合わせて4月ごろから作付けを始め、長い生育期間を経て9〜12月に収穫する1期作型です。

赤道寄りで年較差が小さく、雨季がはっきりする西アフリカの栽培暦に合致します。
→コートジボワールの稲作暦に対応します。

選択肢3. ③

年間を通じて温暖・多雨で、作付けと収穫を3回繰り返す3期作です。

赤道近くの多雨地域で一般的です。
→インドネシア(ジャワ島など)の稲作に当たります。

選択肢4. ④

10〜12月に作付けし、翌年3〜5月に収穫する1期作です。

南半球の温帯に典型的な「反転した」夏作型です。
→南緯中緯度のチリ中南部の稲作暦です。

まとめ

コートジボワール(北緯5〜10°)南部は一回の長い雨季(4〜10月前後)が卓越し、稲作はこの雨季に合わせた1期作が主流です。

図中②はちょうどこの雨季に作付け・収穫が集中しており、降水量パターンと整合します。

 

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