大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問83 (地理B(第3問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問83(地理B(第3問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

日本の人口や都市について、ユミさんたちが行った探究に関する次の問いに答えよ。

ハヤトさんたちは、日本では保育サービス拡充によって待機児童問題の解消が図られていることを知り、東京大都市圏内のある地域における保育所の整備状況を調べた。次の図4は、地域内に立地する認可保育所*の定員と開設年、および6歳未満世帯員のいる世帯数の変化を示したものである。図4を見て話し合ったハヤトさんたちと先生の会話文中の下線部①~④のうちから、誤りを含むものを一つ選べ。
*施設の広さや職員数などで国が定める基準を満たし、認可を得て設置された保育所。

先生 「この地域では人口の増加が続いていて、東京都区部などへ鉄道で通勤する人が多くみられます。保育所もたくさんあるようですが、保育所の立地にはどのような傾向がありますか」
ハヤト「鉄道駅の付近に、保育所が集中して立地しているようです。なぜそのような傾向になるのでしょうか」
ユミ 「鉄道で通勤する人が子どもを預ける際の利便性を考えると、駅付近の保育所が利用しやすいと思います」
ハヤト「駅Xから半径500m以内の地域には、就学前の子どものいる世帯が2000年から2015年にかけて2倍以上増加したところがあり、保育所の需要が高まっていると思います」
先生 「保育所の開設年や定員数について、何か特徴はあるでしょうか」
ユミ 「2001年以降に開設された保育所が過半数ですが、特に2016年以降に開設のペースが加速しているようです」
ハヤト「定員の多い保育所は、就学前の子どものいる世帯が、2000年から2015年にかけて2倍以上増加した地域に立地する傾向があるようです。待機児童問題の解消に向けた取組みが進んでいるのだと思います」
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この過去問の解説 (1件)

01

誤りを含む発言はです。
 

選択肢1. ①

図4を見ると、認可保育所のシンボルは駅Xを中心に円状に密集しています。

駅を利用する保護者にとって、送り迎えの動線上に保育所があると利便性が高いため、立地が集中するのは合理的です。

選択肢2. ②

図中には「6歳未満世帯員のいる世帯数」の増加率グラフが重ねられており、500 m圏に該当する区画の棒が2000年比で200%超となっています。

したがって、児童世帯が2倍以上に増えたという発言は事実と合致します。

選択肢3. ③

開設年を示す折れ線では、2001年以降の累積数が全体の半分を超えているうえ、2016〜2018年付近に急角度で上昇しています。

つまり2016年以降に新設が増えた点も正しく読めます。

選択肢4. ④

図4の定員分布を見ると、200人以上の大規模保育所は駅から少し離れた地域にも散在しており、児童世帯急増区画(500 m圏)に限定して集中しているわけではありません。

むしろ急増区画に多いのは定員100人前後の中規模施設です。

したがって「定員の多い保育所ほど急増地域に立地する」という傾向は図から読み取れず、この発言は誤りを含みます。

まとめ

①通勤利便性による駅前集中、②児童世帯の2倍増、③2016年以降の開設ラッシュはいずれも図4の数値・分布と整合します。

対して④は、定員規模と立地エリアの対応を正しく捉えておらず、図4に反する記述です。

ゆえに誤りは④です。

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