大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問84 (地理B(第4問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問84(地理B(第4問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

地中海を囲む北アフリカ、西アジア、ヨーロッパは、経済や歴史・文化など、様々な面で結びついている。地中海周辺の地域に関する次の問いに答えよ。

地中海周辺の地域の自然と社会に関する次の問いに答えよ。

地中海周辺の地域では、自然環境をいかして様々な自然エネルギーが発電に利用されている。次の図1は、主な発電施設をエネルギー源別に示したものであり、凡例ア~ウは、水力、地熱、風力のいずれかである。エネルギー源とア~ウとの正しい組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 水力:ア  地熱:イ  風力:ウ
  • 水力:ア  地熱:ウ  風力:イ
  • 水力:イ  地熱:ア  風力:ウ
  • 水力:イ  地熱:ウ  風力:ア
  • 水力:ウ  地熱:ア  風力:イ
  • 水力:ウ  地熱:イ  風力:ア

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は「水力:イ  地熱:ウ  風力:ア」です。

 

近年、石油石炭を使った火力発電が環境面で問題視されるようになり、水力・地熱・風力などの再生可能エネルギーに注目が集まっています。それぞれの発電方法の特徴を押さえておきましょう。

 

 

>水力発電

大規模なダムを造り、水流の流れでタービンを回して発電します。

必然的に大きな河川の上流部に作ることになるので、勾配のある内陸の上流部に多く見られます。

図1では、スイスやイタリアのアルプス山脈に集中するイが相当します。

また、エジプトにそそぐナイル川上流域にあるアスワンダム、アスワンハイダムも判断の材料です。

水力→イ

 

>地熱発電

マグマ活動による地熱で水を蒸発させ、タービンを回して発電させます。

火山活動が活発な地域でしか使えない発電方法なので、安定陸塊であるアフリカには見られません。

図1では、火山活動が活発な新期造山帯のイタリア中部に集中しています。

これはヴェスヴィオ山などの活火山が多い地域です。

イタリアは世界で初めて地熱発電を導入した国として知られています。

地熱→ウ

 

>風力

巨大な風車を使ってダイナモにより発電するので、恒常的に一定の風が吹いている地域に向いています。

そのため風が強い海岸近くに設置されることが特徴です。

図1ではイベリア半島(スペイン・ポルトガル)や西サハラなどの比較的海に近い場所に卓越していることから、アが風力発電に相当します。

風力→ア

 

 

 

選択肢1. 水力:ア  地熱:イ  風力:ウ

間違った組み合わせです。

選択肢2. 水力:ア  地熱:ウ  風力:イ

間違った組み合わせです。

選択肢3. 水力:イ  地熱:ア  風力:ウ

間違った組み合わせです。

選択肢4. 水力:イ  地熱:ウ  風力:ア

正しい組み合わせです。

選択肢5. 水力:ウ  地熱:ア  風力:イ

間違った組み合わせです。

選択肢6. 水力:ウ  地熱:イ  風力:ア

間違った組み合わせです。

まとめ

地熱発電の判例は消去法で判断するのが簡単だと思われます。

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02

正しい組み合わせは

「水力:イ 地熱:ウ 風力:ア」 です。

 

黒い四角は山地の内陸部や大河川に集まり、大出力のダム(例:トルコのアタテュルク・ダム 2,400 MW)を示しています。

三角は火山帯に沿って少数点在し、イタリア・ラルデッロやトルコ西部などの地熱発電所を表します。

白丸はカナリア諸島、イベリア半島沿岸、エジプト紅海岸など風の強い海岸・島しょ部に集中し、大型風車群(例:エジプト・ガバルエルゼイト 580 MW)を示しています。

 

選択肢1. 水力:ア  地熱:イ  風力:ウ

カナリア諸島や地中海沿岸は大河川が乏しく、大規模ダムがありません。

アを水力と見るのは不自然です。

選択肢2. 水力:ア  地熱:ウ  風力:イ

アに水力を割り当てる問題は上記と同様です。また黒い四角(イ)は海岸や島ではなく内陸にも多く、風力と一致しません。

選択肢3. 水力:イ  地熱:ア  風力:ウ

(ア)は風の強い沖合や島に集中します。

これを地熱とするには火山帯との位置関係が弱く、整合しません。

選択肢4. 水力:イ  地熱:ウ  風力:ア

イはピレネー山脈・アルプス・アナトリア高原など、流水量が大きい山岳地形と重なります。

ウはエーゲ海沿岸やイタリア火山帯に限定され、地熱資源に合致します。

アは強風が吹く海岸・島しょ部に多く、風力と一致します。

最も地理的条件と合う組合せです。

選択肢5. 水力:ウ  地熱:ア  風力:イ

ウは数が少なく、最大出力ダムが含まれるトルコ南東部に現れません。

水力に割り当てるのは不適切です。

選択肢6. 水力:ウ  地熱:イ  風力:ア

地熱は火山帯由来の局地的エネルギーですが、イは広範囲に散在するため地熱とは考えにくいです。

まとめ

地中海周辺の自然エネルギー発電は、

水力:水量が豊富な山地の大河川で大型ダムを建設

地熱:火山活動が活発な限られた地域で高温蒸気を利用

風力:偏西風や季節風が強い海岸・島しょ部で大型風車を設置

という立地条件がはっきり分かれています。

 

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