大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問88 (地理B(第4問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問88(地理B(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

地中海を囲む北アフリカ、西アジア、ヨーロッパは、経済や歴史・文化など、様々な面で結びついている。地中海周辺の地域に関する次の問いに答えよ。

地中海に面したスペインとチュニジアは、地中海周辺の地域の文化や経済の特徴が表れている。両国に関する次の問いに答えよ。

次の図5に示したスペインのセビリアとチュニジアのチュニスでは、類似した都市景観がみられる。後の写真1は、両都市の中心部を撮影した衛星画像と、旧市街を撮影した景観写真である。写真1に関することがらについて述べた文章中の下線部①~④のうちから、適当でないものを一つ選べ。

セビリアとチュニスは、都市中心部がともに旧市街と新市街に分かれている。両都市の旧市街では、イスラーム世界における都市形成の歴史を反映して、衛生環境を向上させるために道の幅を広くし、風通しをよくしている
セビリアは、夏季には冬季よりも多くの国際観光客が訪れる観光地であるとともに、旧市街は市民生活の場となっている。チュニスの旧市街では、日用品を扱う店舗が立地する市場が現存し、住民の日常生活を支えている。
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この過去問の解説 (1件)

01

適当でないものはです。


イスラーム都市の旧市街は、夏の強い日差しを避けるために細く曲がりくねった路地で構成されます。

道を広げて風通しを良くするという説明は当てはまりません。

選択肢1. ①

セビリアには大聖堂を中心とする歴史的中心部と、近代以降に整備された碁盤目状の新市街があります。

チュニスもメディナ(旧市街)と、フランス統治時代に建設された「新市街」が並存します。
→ 両都市で確認できるため妥当です。

選択肢2. ②

旧イスラーム都市では住宅を密集させ、細い路地に影をつくって暑さをしのぎます。

風通しより日射を遮ることを優先し、衛生対策として道路拡幅を行ったわけではありません。
→ この説明は当てはまりません。

選択肢3. ③

スペインの観光はバカンス期(6〜8月)が最盛期です。

セビリア旧市街はレストランや住居が混在し、観光地と生活の場が重なっています。
→ 妥当です。

選択肢4. ④

メディナには衣料・食料・雑貨などを扱うスーク(市場)が連なり、地元住民が日常的に利用しています。
→ 妥当です。

まとめ

旧市街の路地は“狭くて曲がりくねる”ことが暑さ対策であり、防御やプライバシー確保の役割もありました。

新市街は植民地支配や近代化に伴い、広い道路や区画整理が行われたため、両都市で街路構造が対照的です。

観光の季節変化や、市場が今も生活を支える点から、歴史的景観と日常生活が共存する都市の姿が読み取れます。

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