大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問35 (第4問(漢文) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問35(第4問(漢文) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、明代末期から清代初期の思想家である賀貽孫(がいそん)が著したものである。これを読んで、後の問いに答えよ。なお、設問の都合で返り点・送り仮名を省いたところがある。

二重傍線部Ⅰ「彼」、Ⅱ「人」はそれぞれ何を指しているか。その組合せとして最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • Ⅰ:聖賢  Ⅱ:平凡な人々
  • Ⅰ:大魚  Ⅱ:禿翁
  • Ⅰ:竜   Ⅱ:平凡な人々
  • Ⅰ:聖賢  Ⅱ:禿翁
  • Ⅰ:竜   Ⅱ:筆者

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この過去問の解説 (1件)

01

二重傍線部の前後も合わせて読むことで文脈から主語を判断しましょう。

 

二重傍線部Ⅰの直前の文では竜について言及されていることから、「彼」はを指していると判断できます。

 

また、「而人乃~」の節は「而」から始まっていることから「しかし、人は~」と、二重傍線部Ⅰ(=竜)の様子との対比となる内容が語られていることが分かります。

 

大意としては「竜が様々な姿に化身するのは理由があってしていることなのに、人は竜の外形という取るに足らないことにばかり注目してそれを見つけ出そうとするものだ」と解釈でき、ここでの「人」は特定の人物ではなく、一般論として「平凡な人々」といった意味だと捉えられます。

 

したがって、この解釈に合致する選択肢が正解となります。

選択肢1. Ⅰ:聖賢  Ⅱ:平凡な人々

文脈から「彼」は「竜」を指していると判断できるため、誤りです。

 

また、漢文における「彼」は現代文とは違い、男性だけでなく女性や物なども使われることに注意しましょう。

選択肢2. Ⅰ:大魚  Ⅱ:禿翁

この文では竜と人のあり方を対比しているのであり、大魚や禿翁については言及していないため誤りです。

選択肢3. Ⅰ:竜   Ⅱ:平凡な人々

「彼」「人」ともに正しく捉えられているこの選択肢が正解です。

選択肢4. Ⅰ:聖賢  Ⅱ:禿翁

この文では竜と人のあり方を対比しているのであり、聖賢禿翁については言及していないため誤りです。

 

また、漢文における「彼」は現代文とは違い、男性だけでなく女性や物などにも使われることに注意しましょう。

選択肢5. Ⅰ:竜   Ⅱ:筆者

この文における「人」は一般論としての「人々」といった意味で使われているため、筆者や特定の誰かを指している訳ではないので誤りです。

まとめ

漢文における「彼」は現代文とは違い、男性だけでなく女性や物などにも使われるため、「彼」という字の持つイメージから「男性の人物」と即断しないよう注意しましょう。丁寧に文脈を読み取ることが重要です。

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