大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問45 (倫理(第2問) 問7)
問題文
以下は、倫理の授業で、日本思想を学んだ後に、「役に立つ学びとはどのようなものか」をテーマにクラスで行われた紙上での対話である。
Cの意見
役に立つ学びというと、資格の取得など、学んだことが仕事に活かされ、収入につながるものを思い浮かべがちですが、それだけを一度きりの人生の目的にできるのでしょうか。日本には自らの生き方を考える学びの伝統があり、実利を重視する風潮が強まったe 近代以降であっても、哲学することは真の人間になることだと述べた思想家もいました。自らの生き方を考える学びは、この人生を悔いなく送るために、本当の意味で役に立つ学びだと考えます。
BからCへの質問
確かにそうですね。ただ、私もCも、役に立つという言葉から、自分の役に立つことだけに囚(とら)われていたと気付きました。例えば、f 高野長英の人生を考えてみると、彼は、自身が「有用急務の実学」だと認めた蘭学を究め、その学びが、日本の西洋学術の受容にも寄与し、多くの人々の生活を豊かにしました。このように、役に立つ学びには、他者のために役に立つという面もあると考えられませんか。
CからBへの返答
なるほど。以前授業で、鎌倉時代の僧g 叡尊は、学びを通じて仏教者としての己の生き方を見つめ、そこから利他の実践に向かったと習ったのを思い出しました。彼のように、自分の生き方を省みた先で、他者と共にある具体的な現実に目を向け、学びを目の前の他者のための実践へとつなげられたとき、役に立つ学びは一層深まるのかもしれません。
下線部gに関して、叡尊についての説明として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問45(倫理(第2問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
以下は、倫理の授業で、日本思想を学んだ後に、「役に立つ学びとはどのようなものか」をテーマにクラスで行われた紙上での対話である。
Cの意見
役に立つ学びというと、資格の取得など、学んだことが仕事に活かされ、収入につながるものを思い浮かべがちですが、それだけを一度きりの人生の目的にできるのでしょうか。日本には自らの生き方を考える学びの伝統があり、実利を重視する風潮が強まったe 近代以降であっても、哲学することは真の人間になることだと述べた思想家もいました。自らの生き方を考える学びは、この人生を悔いなく送るために、本当の意味で役に立つ学びだと考えます。
BからCへの質問
確かにそうですね。ただ、私もCも、役に立つという言葉から、自分の役に立つことだけに囚(とら)われていたと気付きました。例えば、f 高野長英の人生を考えてみると、彼は、自身が「有用急務の実学」だと認めた蘭学を究め、その学びが、日本の西洋学術の受容にも寄与し、多くの人々の生活を豊かにしました。このように、役に立つ学びには、他者のために役に立つという面もあると考えられませんか。
CからBへの返答
なるほど。以前授業で、鎌倉時代の僧g 叡尊は、学びを通じて仏教者としての己の生き方を見つめ、そこから利他の実践に向かったと習ったのを思い出しました。彼のように、自分の生き方を省みた先で、他者と共にある具体的な現実に目を向け、学びを目の前の他者のための実践へとつなげられたとき、役に立つ学びは一層深まるのかもしれません。
下線部gに関して、叡尊についての説明として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 渡来僧として東大寺に戒壇を設け、正式な僧侶としての資格を与えるための授戒制度を整えて、仏教の普及に力を尽くした。
- 『法華経』こそがあらゆる人を救うことのできる最高の教えだと信じ、流刑などの度重なる迫害にもかかわらず布教に努めた。
- 生前の罪によって死後に地獄へ堕(お)ちた人々が、様々な苦しみを与えられる様子を書物にまとめ、天台僧として浄土信仰を勧めた。
- 戒律を重んじて、それを厳格に守るとともに、病人や貧民を救済し、橋を修築するなど広く社会事業を行った。
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