大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問56 (倫理(第4問) 問2)
問題文
G:すごい豪邸…、こんなa家に生まれた子どもは運がいいね。不平等だな。
H:生まれた家とか国とか、b個人が選べないもので差があるのは、不平等だとしても変えられないよ。与えられた環境の中で頑張ることが大事だよね。この家の子どもだって、c社会で成功できるかどうかは本人次第だと思う。
G:いや、その子どもも、家が裕福なおかげでいい教育を受けて、将来お金を稼げるようになったりするでしょ。運の違いが生むd格差は、社会が埋め合わせるべきだよ。
H:それって、幸運な人が持つお金を不運な人に分け与えるということ?運の違いなんて、そもそも社会のあり方と関わる問題だとは思えないけど。
G:そう?例えば、運よく絵の上手な人が漫画家としてお金を稼げるのは、漫画を高く評価するe文化が社会にあるおかげでしょ。人のf才能も、社会のあり方によって、運よくお金になったり運悪くお金にならなかったりするよ。
H:なるほど。けど、才能を成功に結び付けるのは社会だけじゃないよ。漫画家も才能を磨いてプロになるわけでしょ。そうしたg努力については、個人を評価するべきじゃない?
G:一理あるね。ただ、努力の習慣が身に付くのも運による面はあるよ。地元の学校が「褒めて伸ばす」方針で、何事も頑張って取り組むようになったとか。努力できるようになるかどうかは、h社会の仕組みや構造に左右されると思う。
H:それはそうかも。ただ、同じ境遇でも、苦学して立派になる人もいればそうでない人もいるし…。最終的には、努力は個人の問題じゃないかな。
G:するとHは、運の違いが生む格差は全て、個人が努力で乗り越えるべきだと言うの?幸運な人と同じだけ努力した不運な人が、格差のせいで幸運な人に追い付けないようだと、不運な人の努力は評価されていないとも言えるよ。
H:確かに…。ただ、努力も全て運次第だからという理由で、努力する人がしない人と同じ扱いを受けるとしたら、それはやっぱり不公平じゃないかなあ。
G:そうだよね…。次の倫理の授業が終わったら、先生にも聞いてみようか。
下線部bに関連して、次のア・イは、個人の自立を論じた人物についての説明であるが、それぞれ誰のことか。その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
ア 「青年ほど、深い孤独のうちに、触れ合いと理解を渇望している人間はいない」と述べ、自我の目覚めについて論じた。
イ 青年が親など周囲の大人への依存を離れて精神的に独立することを心理的離乳と呼び、それに伴う不安が個人の成長に必要であると説いた。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問56(倫理(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
G:すごい豪邸…、こんなa家に生まれた子どもは運がいいね。不平等だな。
H:生まれた家とか国とか、b個人が選べないもので差があるのは、不平等だとしても変えられないよ。与えられた環境の中で頑張ることが大事だよね。この家の子どもだって、c社会で成功できるかどうかは本人次第だと思う。
G:いや、その子どもも、家が裕福なおかげでいい教育を受けて、将来お金を稼げるようになったりするでしょ。運の違いが生むd格差は、社会が埋め合わせるべきだよ。
H:それって、幸運な人が持つお金を不運な人に分け与えるということ?運の違いなんて、そもそも社会のあり方と関わる問題だとは思えないけど。
G:そう?例えば、運よく絵の上手な人が漫画家としてお金を稼げるのは、漫画を高く評価するe文化が社会にあるおかげでしょ。人のf才能も、社会のあり方によって、運よくお金になったり運悪くお金にならなかったりするよ。
H:なるほど。けど、才能を成功に結び付けるのは社会だけじゃないよ。漫画家も才能を磨いてプロになるわけでしょ。そうしたg努力については、個人を評価するべきじゃない?
G:一理あるね。ただ、努力の習慣が身に付くのも運による面はあるよ。地元の学校が「褒めて伸ばす」方針で、何事も頑張って取り組むようになったとか。努力できるようになるかどうかは、h社会の仕組みや構造に左右されると思う。
H:それはそうかも。ただ、同じ境遇でも、苦学して立派になる人もいればそうでない人もいるし…。最終的には、努力は個人の問題じゃないかな。
G:するとHは、運の違いが生む格差は全て、個人が努力で乗り越えるべきだと言うの?幸運な人と同じだけ努力した不運な人が、格差のせいで幸運な人に追い付けないようだと、不運な人の努力は評価されていないとも言えるよ。
H:確かに…。ただ、努力も全て運次第だからという理由で、努力する人がしない人と同じ扱いを受けるとしたら、それはやっぱり不公平じゃないかなあ。
G:そうだよね…。次の倫理の授業が終わったら、先生にも聞いてみようか。
下線部bに関連して、次のア・イは、個人の自立を論じた人物についての説明であるが、それぞれ誰のことか。その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
ア 「青年ほど、深い孤独のうちに、触れ合いと理解を渇望している人間はいない」と述べ、自我の目覚めについて論じた。
イ 青年が親など周囲の大人への依存を離れて精神的に独立することを心理的離乳と呼び、それに伴う不安が個人の成長に必要であると説いた。
- ア:シュプランガー イ:サリヴァン
- ア:シュプランガー イ:ホリングワース
- ア:マーガレット・ミード イ:サリヴァン
- ア:マーガレット・ミード イ:ホリングワース
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説
前の問題(問55)へ
令和5年度(2023年度)本試験 問題一覧
次の問題(問57)へ