大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問11 (現代社会(第2問) 問5)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問11(現代社会(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

経済学部を志望しているモリさんは、大学生の姉と買物に出かけた。次の問いに答えよ。

モリさんは、「買物などの意思決定は、経済学と心理学の両方から考えることがとても大切なことなんだね」と姉に伝えた。すると姉は、「人間の意思決定を考えるためには、倫理的側面からも考えた方が良い」と言って、思想家の著作カードを渡してくれた。次のア~ウは、ベンサム、ロールズ、J.S.ミルの著作のカードである。J.S.ミルとロールズのカードの組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

ア  満足した豚であるよりも、満足していない人間がよい。満足した愚者よりも、満足していないソクラテスがよい。愚者や豚がこれと違う意見だったとすれば、それは、問題のうち自分たちにかかわる側面しか、わかっていないからである。これと対極にある人々は、両方の側面がわかっている。
イ  公正としての正義において、社会の成員たちは、まずもって、相互利益のために一緒になって協同することのできる道徳的人格として観念されるのであって、単純に自らの満たしたい目的と欲求をもつ合理的個人として観念されるのではない。
ウ  自然は、人類を苦痛と快楽という、二人の主権者の支配のもとにおいてきた。われわれが何をしなければならないかということを指示し、またわれわれが何をするであろうかということを決定するのは、ただ苦痛と快楽だけである。一方においては善悪の基準が、他方においては原因と結果の連鎖が、この二つの玉座につながれている。
  • J.S.ミル ― ア  ロールズ ― イ
  • J.S.ミル ― ア  ロールズ ― ウ
  • J.S.ミル ― イ  ロールズ ― ア
  • J.S.ミル ― イ  ロールズ ― ウ
  • J.S.ミル ― ウ  ロールズ ― ア
  • J.S.ミル ― ウ  ロールズ ― イ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

ア…「満足した豚であるよりも、満足していない人間がよい。」は、イギリスの哲学者J.S.ミルの著書『功利主義』における名言です。不満足の人間の方が、より高度な精神的快楽を追求できる、などの意味があります。

 

イ…「公正としての正義」について語っているのは、『正義論』で知られるアメリカの哲学者ロールズです。平等と公正を両立する正義のあり方について説いています。

 

ウ…「自然は、人類を苦痛と快楽という、二人の主権者の支配のもとにおいてきた。」と語っているのは、イギリスの哲学者ベンサムです。「最大多数の最大幸福」という功利主義の原則を提唱しました。

選択肢1. J.S.ミル ― ア  ロールズ ― イ

適当

2つとも適切です。

選択肢2. J.S.ミル ― ア  ロールズ ― ウ

不適当

ロールズが説いたのは正義論です。

選択肢3. J.S.ミル ― イ  ロールズ ― ア

不適当

J.S.ミルは功利主義、ロールズは正義論を説きました。

選択肢4. J.S.ミル ― イ  ロールズ ― ウ

不適当

J.S.ミルは功利主義、ロールズは正義論を説きました。

選択肢5. J.S.ミル ― ウ  ロールズ ― ア

不適当

「自然は、人類を苦痛と快楽という、二人の主権者の支配のもとにおいてきた。」は、ベンサムの考え方です。また、ロールズは正義論を説きました。

選択肢6. J.S.ミル ― ウ  ロールズ ― イ

不適当

「自然は、人類を苦痛と快楽という、二人の主権者の支配のもとにおいてきた。」は、ベンサムの考え方です。

まとめ

J.S.ミルベンサムといえば功利主義、ロールズといえば正義論、と覚えておきましょう。

参考になった数0