大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問12 (現代社会(第3問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問12(現代社会(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

ハラさんは、漁師の家に生まれ、漁村に住む高校生である。次の場面Ⅰを読み、後の問いに答えよ。

場面Ⅰ
ハラさんの住む漁村周辺の海は、今では海水も澄み、海水浴や潮干狩りなどもできる。しかし、過去には、工場からの排水が原因で深刻なa 公害に見舞われ、海域一帯で漁ができなくなるほどb 海が汚染されていた時代があったことを、ハラさんはc 家族から聞いた。話では、漁師たちが粘り強い運動をしたこともあって、きれいな海を取り戻したとのことだった。


下線部aに関して、ハラさんは、現代社会の授業で公害の定義を記した次の配布資料に基づき、公害に該当する例を調べ、それが公害に該当することを説明するように指示された。ハラさんは、以前家族から聞いた、自分の住む漁村の海で起きたことを題材として後のメモを作った。メモ中のⅠ~Ⅲには配布資料中のA,C,Dの記号のいずれかが入る。Ⅰ~Ⅲに入るものの組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

配布資料
【環境基本法に基づく公害の定義】
環境保全上の支障のうち、次のA~Dのすべてに当てはまるもの。
A  事業活動等、人の活動に伴って生ずる。
B  相当範囲にわたる。
C  大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭による。
D  人の健康または生活環境(人の生活に密接な関係のある財産や動植物とその生育環境を含む)に係る被害が生ずる。
注意点:公害事件には、農林水産業や財産に係る被害が生じたものもあり、括弧書きで人の生活に密接な関係のある財産や動植物とその生育環境を含めている。

メモ
公害の例として、昔、私の住んでいる漁村の海域一帯の水質が工場からの排水により悪化し、魚が捕れなくなったという事件を取り上げる。漁業に係る被害が生じているので、( Ⅰ )の要素は満たしている。工場の稼働による汚染なので、( Ⅱ )も満たしている。また、水質の悪化なので、( Ⅲ )も満たしている。問題はBだが、この海域一帯が汚染されていたのだから、これも満たしていると言える。したがって、公害に該当する。
  • Ⅰ ― A  Ⅱ ― C  Ⅲ ― D
  • Ⅰ ― A  Ⅱ ― D  Ⅲ ― C
  • Ⅰ ― C  Ⅱ ― A  Ⅲ ― D
  • Ⅰ ― C  Ⅱ ― D  Ⅲ ― A
  • Ⅰ ― D  Ⅱ ― A  Ⅲ ― C
  • Ⅰ ― D  Ⅱ ― C  Ⅲ ― A

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この過去問の解説 (1件)

01

A…環境保全上の支障のうち、「事業活動等、人の活動に伴って生ずる。」「事業活動等」には、工場の操業や建設工事などが含まれます。工場の稼働による汚染はこれに当たります。

 

B…「相当範囲にわたる。」「相当範囲」は、例えば複数のエリアや多数の住民など広い範囲に被害が及ぶ場合に該当します。海域一帯の汚染がこれに当たります。

 

C…「大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭による。」「水質汚濁」は、工場からの排水などによりもたらされます。水質の悪化はこれに該当します。

 

D…漁業に係る被害「人の健康または生活環境(人の生活に密接な関係のある財産や動植物とその生育環境を含む)に係る被害が生ずる。」「生活環境」に該当します。

選択肢1. Ⅰ ― A  Ⅱ ― C  Ⅲ ― D

不適当

すべて不適切です。

選択肢2. Ⅰ ― A  Ⅱ ― D  Ⅲ ― C

不適当

Ⅰ、Ⅱは不適切です。

選択肢3. Ⅰ ― C  Ⅱ ― A  Ⅲ ― D

不適当

Ⅰ、Ⅲは不適切です。

選択肢4. Ⅰ ― C  Ⅱ ― D  Ⅲ ― A

不適当

すべて不適切です。

選択肢5. Ⅰ ― D  Ⅱ ― A  Ⅲ ― C

適当

全て適切です。

選択肢6. Ⅰ ― D  Ⅱ ― C  Ⅲ ― A

不適当

Ⅱ、Ⅲは不適切です。

まとめ

環境基本法における環境保全上の支障の具体例を挙げられるようにしておきましょう。

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