大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問41 (倫理(第2問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問41(倫理(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

以下のⅠを読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのCとDは各々全て同じ人物である。

Ⅰ 高校生CとDは、縁をめぐって次の会話を交わした。

C:この前の倫理の授業、覚えてる?仏教の縁起の説明の中で、全てのものがつながり合って存在しているという話があったよね。
D:そうだね。ただ、日本で縁という場合には、人と人との出会いやつながりという意味で使われることが多いよね。
C:縁があるとかないとか、良縁とか悪縁とか、よく言われるね。日本人は、つながりや出会いという意味合いで、縁というものを考えてきたのかな。
D:そうかもしれないね。縁があっての出会いもあれば、縁が切れての別れもあるよね。昔の日本人は、そうした人の世のあり方にa 無常を感じていたと習ったのを覚えているよ。
C:人とのつながりといえば、私は、人間関係の理想的なあり方を説いたb 近世の思想の話が好きだな。人は、一人では生きられないでしょう。そういえば、今度の芸術鑑賞の授業では、c 親子の縁の話が出てくるそうだよ。
D:親子の縁かあ…。でも、d 近代になると、今度は個の自立、家からの独立が問われてくるわけだよね。気になってきたから、色々な文献を調べてみよう。

下線部cに関連して、次の資料は、芸術鑑賞の授業で見た近松門左衛門の『冥途の飛脚』の中で、孫右衛門(まごえもん)が、今にも捕縛されそうな息子について思いを語った台詞(せりふ)の一部である。後のア・イは資料の内容についての説明、ウ・エは近松の事績についての説明である。ア~エから適当なものを全て選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

資料
成人した息子と訳あって縁を切り、大坂へ養子に出したが、息子は根性に魔が差して随分他人の金を使い込み、あげく逃走し、捜索されているところ。……世の諺(ことわざ)に言う、盗みをする子は憎くなく、縄を掛ける人が恨めしいとはこのこと。縁切った親子だから、善きにつけ悪(あ)しきにつけ、関係ないとはいっても、大坂へ養子に行き利発で器用で身持ちもよく、財産も築いたあのような子を勘当した孫右衛門は戯(たわ)け者、阿呆(あほう)者と言われても、その嬉(うれ)しさはどうあろう。今にも探し出され、縄を掛けられ引かれる時、よい時に勘当して孫右衛門はでかした、幸せじゃと褒められても、その悲しさはどうあろう。

ア  縁を切った親子なのだからもはや関係ないといっても、孫右衛門は、縄を掛けられそうな息子の身の上に心を動かされている。
イ  孫右衛門は、縁を切った息子の評判や将来に無関心であるから、その子が盗みを働いたとしても憎いとは思わない。
ウ  近松は、天理に基づく礼や法の遵守をひたすら重んじる作品を残した。
エ  近松は、町人社会での義理と人情の葛藤や恋の悲劇を作品に描いた。
  • アとウ
  • アとエ
  • イとウ
  • イとエ
  • アとイとウ
  • アとイとエ
  • アとウとエ
  • イとウとエ
  • アとイとウとエ

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