大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問40 (倫理(第2問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問40(倫理(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

以下のⅠを読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのCとDは各々全て同じ人物である。

Ⅰ 高校生CとDは、縁をめぐって次の会話を交わした。

C:この前の倫理の授業、覚えてる?仏教の縁起の説明の中で、全てのものがつながり合って存在しているという話があったよね。
D:そうだね。ただ、日本で縁という場合には、人と人との出会いやつながりという意味で使われることが多いよね。
C:縁があるとかないとか、良縁とか悪縁とか、よく言われるね。日本人は、つながりや出会いという意味合いで、縁というものを考えてきたのかな。
D:そうかもしれないね。縁があっての出会いもあれば、縁が切れての別れもあるよね。昔の日本人は、そうした人の世のあり方にa 無常を感じていたと習ったのを覚えているよ。
C:人とのつながりといえば、私は、人間関係の理想的なあり方を説いたb 近世の思想の話が好きだな。人は、一人では生きられないでしょう。そういえば、今度の芸術鑑賞の授業では、c 親子の縁の話が出てくるそうだよ。
D:親子の縁かあ…。でも、d 近代になると、今度は個の自立、家からの独立が問われてくるわけだよね。気になってきたから、色々な文献を調べてみよう。

下線部bに関連して、中江藤樹についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 儒学者として、封建社会の身分や秩序を正当化する朱子学を固守する一方で、「誠信の交わり」を旨として朝鮮との善隣外交に尽力した。
  • 儒学のみならず、神道や仏教も取り入れて、心を磨く学問を確立させて、正直や倹約に基づく商人の道徳思想を説いた。
  • 儒学者として、朱子学を表面的な形式に囚(とら)われていると批判し、時や場所や身分に応じた道徳の実践を説いた。
  • 修身中心であった従来の儒学に対して、安定した公の秩序の実現を目指した儒学を志して、礼楽刑政によって世の中を治めることを説いた。

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この過去問の解説 (1件)

01

人間関係の理想的なあり方を説いた近世の仏教思想についての問題です。

選択肢1. 儒学者として、封建社会の身分や秩序を正当化する朱子学を固守する一方で、「誠信の交わり」を旨として朝鮮との善隣外交に尽力した。

不適当

雨森芳洲についての説明です。

誠信の交わり」とは、お互いに欺かず争わず、真実をもって交わることを意味しています。

選択肢2. 儒学のみならず、神道や仏教も取り入れて、心を磨く学問を確立させて、正直や倹約に基づく商人の道徳思想を説いた。

不適当

石田梅岩についての説明です。

儒学、神道、仏教の思想を取り入れ、正直、倹約、勤勉の三徳の価値観を重視した「石門心学」で知られています。

選択肢3. 儒学者として、朱子学を表面的な形式に囚(とら)われていると批判し、時や場所や身分に応じた道徳の実践を説いた。

適当

中江藤樹についての説明です。

中江藤樹の教えの中には、日常で心がけるべき5つのことを意味する「五事を正す」という言葉があります。

選択肢4. 修身中心であった従来の儒学に対して、安定した公の秩序の実現を目指した儒学を志して、礼楽刑政によって世の中を治めることを説いた。

不適当

荻生徂徠についての説明です。

礼楽刑政とは、礼儀・音楽・刑罰・政治のことです。

まとめ

仏教の歴史的展開や、儒学との関係について理解しておきましょう。

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