大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問77 (政治・経済(第2問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問77(政治・経済(第2問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒X,生徒Y,生徒Zは、「政治・経済」の授業で「現代の法をめぐる課題」をテーマとして、発表することになった。話し合った結果、最初に全員で法の役割について考えた後に、人権保障の課題、司法制度の課題、議会制度の課題という三つのパートに分かれて、それぞれ関心のある事柄を深めることにした。次のノートは、発表の概要と担当についてまとめたものである。これに関して、後の問いに答えよ。

発表テーマ:現代の法をめぐる課題
〇 はじめに
 ・a 法の役割について考える
〇 人権保障の課題(Xが担当)
 ・b 基本的人権の保障は、どのように形成されたか
 ・どのようにして法の下の平等を確保すればよいか
  -c 障害者d 外国人を取り上げて考える
〇 司法制度の課題(Yが担当)
 ・e 司法制度改革によって、どのように司法は変わったのか
 ・司法制度の今後を考える
  -裁判員制度やf 死刑制度を取り上げて考える
〇 議会制度の課題(Zが担当)
 ・国会は、社会の変化にどのように対応しているか
  -農業やg 労働に関する法改正を取り上げて考える
 ・どのようにして選挙におけるh 投票率を高めるか

生徒Yは、下線部fに関する議論を調べ、次の資料1と資料2をみつけた(なお、資料1と資料2には表記を改めた箇所や省略した箇所がある)。資料1と資料2の内容を踏まえつつ、日本の死刑制度に関する記述として正しいものを、後の記述ア~エから二つ選び、その組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

資料1(最高裁判所昭和23年大法廷判決・最高裁判所刑事判例集2巻3号)
「刑罰としての死刑そのものが、一般に直ちに憲法第36条にいわゆる残虐な刑罰に該当するとは考えられない。ただ死刑といえども…(中略)…その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、もちろんこれを残虐な刑罰といわねばならぬから、将来もし…(中略)…残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそは、まさに憲法第36条に違反するものというべきである。」
資料2(団藤重光『死刑廃止論(第6版)』)
「かりに殺人の真犯人に対する死刑がいかに正義の要請だとしても、無実の者が処刑されることは…(中略)…とうてい許すべからざる不正義であります。また、犯罪予防論者から言えば、仮に無実の者が処刑される多少の心配があろうとも、死刑によって犯罪の予防ができさえすれば、それだけで十分に死刑制度の合理性があるという議論をするかも知れませんが、いやしくも無実の者が死刑になるという恐るべき犠牲において犯罪の予防を重視するという論者がもしいるとすれば、私はその人の人間的なセンスを疑うものです。」

ア  資料1によれば、死刑の執行方法に残虐性があれば残虐な刑罰として禁止されるが、死刑自体は憲法第36条に直ちには違反しない。
イ  資料1は、死刑自体が違憲であるとする。実際、憲法によれば法の定める手続によっても国民の生命を奪いえない。
ウ  資料2によれば、死刑による犯罪予防効果が重要であるので、無実の者が誤って処罰されることもやむをえない。
エ  資料2は、死刑廃止の根拠として無実の者が誤って死刑とされる危険を重視する。実際、死刑判決確定後に再審で無罪となった事件がある。
  • アとイ
  • アとウ
  • アとエ
  • イとウ
  • イとエ
  • ウとエ

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