大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問67 (政治・経済(第1問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問67(政治・経済(第1問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yは、J県が主催する主に18歳対象の公開講座に参加した。次の資料は、その公開講座の内容を示したものである。これに関して、後の問いに答えよ。

公開講座「a 成人年齢の引下げと生活の変化」
1.「政治や司法にかかわる私」
〇政治への参加(b 選挙c 住民参加
〇司法への参加(d 裁判員、検察審査員)
2.「経済活動を営む私」
〇働き手としての生活(e 職業選択、賃金)
〇消費者としての生活(契約主体、f 家計
3.「変化する社会の中の私」
〇セーフティネットとしてのg 社会保障
〇社会の課題の変化を反映するh 行政機構

下線部cに関連して、生徒Xと生徒Yは、講座の内容を振り返りながら、現在の日本の地方公共団体において住民が政治に参加する仕組みについて話し合っている。次の会話文中の空欄ア〜ウに当てはまる語句の組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。

X:政治へのかかわり方は、年齢などによって違ってくるんだね。政治に参加する仕組みといえば、すぐに思いつくのは選挙だけど、私たち住民は選挙の時にしか政治にかかわることはできないのかな。
Y:「政治・経済」の授業では、選挙とは別に住民の意見を地方公共団体へ届ける手段として、( ア )の手続が重要だと学習したよね。
X:そういえば、その手続の一つとして新たな条例の制定を求めることができたよね。
Y:そうだね。だけど、条例の制定を求める場合、その地方公共団体の有権者の( イ )以上の署名を集める必要があるよ。
X:条例制定の提案ほど意見がまとまっていなくても、もっと簡単に住民の意見を地方公共団体へ伝える方法はないのかな。たとえば、近所の公園を市が別の場所へ移転させると聞いたけど、その方針が一度決まってしまったら、「公園を残してほしい」という私の意見は、市に伝えられないのかな。
Y:憲法第16条には、( ウ )についての規定があって、地方公共団体の政策などに関しても平穏に希望や要望を述べることができるよ。この規定によると、年齢にかかわらず意見を地方公共団体へ届けられるね。
  • ア:情報公開  イ:3分の1  ウ:請願権
  • ア:情報公開  イ:3分の1  ウ:再議
  • ア:情報公開  イ:50分の1  ウ:請願権
  • ア:情報公開  イ:50分の1  ウ:再議
  • ア:直接請求  イ:3分の1  ウ:請願権
  • ア:直接請求  イ:3分の1  ウ:再議
  • ア:直接請求  イ:50分の1  ウ:請願権
  • ア:直接請求  イ:50分の1  ウ:再議

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、地方公共団体における住民の選挙参加の仕組みについて理解しているかを問うものです。

キーワードは「直接請求」「署名の割合」「請願権」などで、地方自治や憲法に関する基本知識を正確に押さえることが重要です。では、問題を見てみましょう。

 

 

選択肢1. ア:情報公開  イ:3分の1  ウ:請願権

この選択肢は、アとイが誤りです。

「情報公開」は住民参加の制度ではありますが、条例の制定を求める仕組みではなく、正しくは「直接請求」です。

「3分の1」は首長の解職請求などに必要な署名の割合で、条例制定の場合は「50分の1」です。

「請願権」は正しいです。

選択肢2. ア:情報公開  イ:3分の1  ウ:再議

この選択肢は、すべて誤りです。

「情報公開」はアで誤り。

「3分の1」もイで誤り(条例制定は50分の1)。

「再議」は議会に対する首長の再審議要求を指すため、憲法16条の内容とは関係がなく、ウも誤りです。

選択肢3. ア:情報公開  イ:50分の1  ウ:請願権

この選択肢は、アのみ誤りです。

「情報公開」は条例制定の請求手続きではないため不適切です。

「50分の1」は正しく、条例の制定請求に必要な署名数です。

「請願権」も憲法16条に対応しており正しいです。

選択肢4. ア:情報公開  イ:50分の1  ウ:再議

この選択肢は、アとウが誤りです。

「情報公開」はアで不適切。

「再議」は地方自治の手続きの一部ですが、憲法16条の内容ではありません。

イは正しいです。

選択肢5. ア:直接請求  イ:3分の1  ウ:請願権

この選択肢は、イのみ誤りです。

「直接請求」は正しく、住民が条例制定などを求める制度です。

「請願権」も正しいです。

ただし「3分の1」は誤りで、条例制定には「50分の1」の署名が必要です。

選択肢6. ア:直接請求  イ:3分の1  ウ:再議

この選択肢は、イとウが誤りです。

「3分の1」は首長の解職請求のときに必要な割合であり、条例制定には多すぎます。

「再議」も請願権とは無関係です。

選択肢7. ア:直接請求  イ:50分の1  ウ:請願権

この選択肢はすべて正しいです。

条例の制定は「直接請求」によって行え、有権者の「50分の1以上」の署名が必要です。

また、「請願権」は憲法第16条に基づき、誰でも意見を出せる権利として保障されています。

選択肢8. ア:直接請求  イ:50分の1  ウ:再議

この選択肢は、ウが誤りです。

「再議」は請願や住民意見とは別の制度(首長が議会に審議のやり直しを求める)なので、憲法16条とは関係がありません。

アとイは正しいです。

まとめ

住民が地方公共団体に意見を届ける手段として「直接請求」があり、条例の制定を求める場合は有権者の「50分の1以上」の署名が必要です。

また、憲法第16条では「請願権」により、年齢に関係なく意見や要望を出すことができます。

これらの制度を通じて、住民は選挙以外でも政治に参加することが可能です。

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