大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問66 (政治・経済(第1問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問66(政治・経済(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yは、J県が主催する主に18歳対象の公開講座に参加した。次の資料は、その公開講座の内容を示したものである。これに関して、後の問いに答えよ。

公開講座「a 成人年齢の引下げと生活の変化」
1.「政治や司法にかかわる私」
〇政治への参加(b 選挙c 住民参加
〇司法への参加(d 裁判員、検察審査員)
2.「経済活動を営む私」
〇働き手としての生活(e 職業選択、賃金)
〇消費者としての生活(契約主体、f 家計
3.「変化する社会の中の私」
〇セーフティネットとしてのg 社会保障
〇社会の課題の変化を反映するh 行政機構

下線部bに関心をもった生徒Xは、選挙制度が選挙結果に与える影響についてモデルケースで考え、次のメモを作成した。メモ中の空欄ア〜ウに当てはまる語句の組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。

ある議会の定員は10人で、各選挙区の各有権者は候補者1人に投票し、各選挙区で得票数の多い順に候補者2人が当選者となる。この議会の選挙において、三つの政党A~Cが五つの選挙区a~eで、それぞれ1人の候補者を立てた。次の表は、この選挙での各候補者の得票数を示したものである。表において、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ア )。
いま、選挙制度が変更されたとする。変更後は、議会の定員は5人で、議員は小選挙区制で選出される。各選挙区で政党は変更前と同じ候補者1人を立て、有権者は変更前と同じ候補者に投票する。このとき、死票の数は変更前より( イ )する。そして、得票数の合計が最も少ない政党は、当選者数が最も( ウ )。
このように、選挙制度が選挙結果に与える影響を考える際には、得票数と獲得議席数との関係、死票の数など、複数の観点からの考慮が必要である。
問題文の画像
  • ア:多い   イ:増加  ウ:多い
  • ア:多い   イ:増加  ウ:少ない
  • ア:多い   イ:減少  ウ:多い
  • ア:多い   イ:減少  ウ:少ない
  • ア:少ない  イ:増加  ウ:多い
  • ア:少ない  イ:増加  ウ:少ない
  • ア:少ない  イ:減少  ウ:多い
  • ア:少ない  イ:減少  ウ:少ない

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、中選挙区制(各選挙区で2人当選)から小選挙区制(各選挙区で1人当選)に変更したときに、得票数・当選者数・死票がどう変化するかを問うものです。では、問題を見てみましょう。

 

選択肢1. ア:多い   イ:増加  ウ:多い

この選択肢は、アとイは正しいですが、ウが誤りです。

B党は中選挙区制では当選者が多いですが、小選挙区制では1位になれず0人になるので「ウ:多い」は不正確です。

選択肢2. ア:多い   イ:増加  ウ:少ない

この選択肢はすべて正しいです。

B党は得票数は少ないが中選挙区制では5人当選しており、死票は制度変更で増加、小選挙区制では0人当選になります。

選択肢3. ア:多い   イ:減少  ウ:多い

この選択肢はイとウが誤りです。

小選挙区制では当選者が1人に絞られるため死票は「増加」し、B党は全選挙区で1位を取れず当選者は「少ない」からです。

 

選択肢4. ア:多い   イ:減少  ウ:少ない

この選択肢はイが誤りです。

死票は小選挙区制にすると増えるため、「減少」は不正確です。

選択肢5. ア:少ない  イ:増加  ウ:多い

この選択肢はアとウが誤りです。

中選挙区制ではB党が5人当選しており「少ない」は誤り。小選挙区制では当選0なので「多い」も誤りです。

選択肢6. ア:少ない  イ:増加  ウ:少ない

この選択肢はアが誤りです。

B党は中選挙区制では5人当選しているので「少ない」は間違いです。

選択肢7. ア:少ない  イ:減少  ウ:多い

この選択肢はすべて誤りです。

B党は実際には中選挙区制で多く当選しており、「死票」は小選挙区制で増えるため「減少」は誤り、ウも誤りです。

選択肢8. ア:少ない  イ:減少  ウ:少ない

この選択肢はアとイが誤りです。

中選挙区制でB党は多く当選しているため「ア:少ない」は不正確、死票は増えるので「イ:減少」も誤りです。

まとめ

中選挙区制では、得票数が少ない政党でも当選者を多く出すことがあります。

一方、小選挙区制になると当選者が1人に限られるため、死票が増え、得票数が少ない政党は当選できなくなります。

このように、選挙制度によって当選者数や死票の数に大きな違いが生じることがポイントです。

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