大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問37 (倫理(第1問) 問6)
問題文
次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。
A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。
下線部fに関して、次の資料1・2はAとBが図書館で見付けた『荘子』の文章である。資料1・2のそれぞれの内容を表す語句として最も適当なものを後のア〜エから選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
資料1
恵子(けいし)に「あなたの言葉は無用(やくたたず)だ」と言われ、荘子は答えた。「無用が分からないと有用について語れない。広大な地面の内、有用なのは足で踏む面積だけだ。しかし、そこだけ残して周りの地面を……深く掘ってなくしたらまともに歩けるか。……無用が有用であることは明らかだろう」と。
資料2
恵子に「私の所に大木が有るが……幹はこぶだらけで……大工も振り返らない。あなたの言葉も大きいだけで無用だから、同じですね」と言われ、荘子は答えた。「……その木を、何も無い場所、果てしなく広々とした野に植え、その傍らでふらふら無為に過ごし、自由にのびやかに木陰で寝転べばよいではないか。……無用だって少しも困りはしない」と。
ア 逍遥遊
イ 無用の用
ウ 万物斉同
エ 心斎坐忘
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問37(倫理(第1問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。
A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。
下線部fに関して、次の資料1・2はAとBが図書館で見付けた『荘子』の文章である。資料1・2のそれぞれの内容を表す語句として最も適当なものを後のア〜エから選んだとき、その組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
資料1
恵子(けいし)に「あなたの言葉は無用(やくたたず)だ」と言われ、荘子は答えた。「無用が分からないと有用について語れない。広大な地面の内、有用なのは足で踏む面積だけだ。しかし、そこだけ残して周りの地面を……深く掘ってなくしたらまともに歩けるか。……無用が有用であることは明らかだろう」と。
資料2
恵子に「私の所に大木が有るが……幹はこぶだらけで……大工も振り返らない。あなたの言葉も大きいだけで無用だから、同じですね」と言われ、荘子は答えた。「……その木を、何も無い場所、果てしなく広々とした野に植え、その傍らでふらふら無為に過ごし、自由にのびやかに木陰で寝転べばよいではないか。……無用だって少しも困りはしない」と。
ア 逍遥遊
イ 無用の用
ウ 万物斉同
エ 心斎坐忘
- 資料1 ― ア 資料2 ― ウ
- 資料1 ― ア 資料2 ― エ
- 資料1 ― イ 資料2 ― ア
- 資料1 ― イ 資料2 ― ウ
- 資料1 ― ウ 資料2 ― イ
- 資料1 ― ウ 資料2 ― エ
- 資料1 ― エ 資料2 ― ア
- 資料1 ― エ 資料2 ― イ
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