大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問38 (倫理(第1問) 問7)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問38(倫理(第1問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

以下を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのAとBは各々全て同じ人物である。

次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。

A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。

下線部gに関して、AとBは図書館で見付けた次の資料1・2について後の会話を交わした。会話中のa・bに入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

資料1 新約聖書より
イエスは言われた。「神の国は何に似ているか。何にたとえようか。それは、からし種*に似ている。人がこれを取って庭に蒔(ま)くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。」
*からし種:直径1ミリほどの、ごく小さい種

資料2 『スッタニパータ』より
世尊*は言った。「カッパ**よ。(輪廻の)流れの中に立っているのに、きわめて恐ろしい激流が起こった時、老いと死に打ちひしがれている人たちにとっての、洲(す)***をお前に示そう。……無所有、無執着、これが洲にほかならない。私はそれを涅槃と呼ぶ。」
*世尊:ブッダのこと
**カッパ:質問者の名
***洲:川や海の中の小さな陸地

A:どちらの資料もたとえを使っているね。授業で、( a )と習ったよ。
B:この二つのたとえの内容を踏まえると、( b )ことができるね。
  • a:資料1にある神の国は、人間にとって「福音」だと理解されている  b:当時の人々にとって身近な出来事の中で、神の国や涅槃を思い描く
  • a:資料1にある神の国は、人間の「試練」の場だと理解されている  b:自然の脅威に抵抗する立場から、神の国や涅槃を想像する
  • a:資料2にある涅槃は、輪廻における一切の苦から解放された境地  b:神の国や涅槃は、困難を克服した後に到達できるものと捉える
  • a:資料2にある涅槃は、解脱してブラフマン(梵)と合一した境地  b:神の国や涅槃を、現実的な状況で起こりうる出来事と考える

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