大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問39 (倫理(第1問) 問8)
問題文
次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。
A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。
次のメッセージは、上の会話の後、AがBに宛てて書いたものである。メッセージ中のa・bに入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。なお、bは上の会話も踏まえること。
メッセージ
今日は図書館で調べてみて、色々な発見があったね。そういえば倫理の授業でも、( a )と習ったことを思い出したんだ。図書館からの帰り道に話したように、初めて出会う比喩やたとえは、( b )ものだと改めて感じたよ。先生のエクレアの比喩も、その内容を自分で考えることが大事だったのかも。明日のホームルームで先生の考えていた意味を教えてもらうのも楽しみだね。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問39(倫理(第1問) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。
A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。
次のメッセージは、上の会話の後、AがBに宛てて書いたものである。メッセージ中のa・bに入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。なお、bは上の会話も踏まえること。
メッセージ
今日は図書館で調べてみて、色々な発見があったね。そういえば倫理の授業でも、( a )と習ったことを思い出したんだ。図書館からの帰り道に話したように、初めて出会う比喩やたとえは、( b )ものだと改めて感じたよ。先生のエクレアの比喩も、その内容を自分で考えることが大事だったのかも。明日のホームルームで先生の考えていた意味を教えてもらうのも楽しみだね。
- a:エレアのゼノンが、運動や変化を論理的に矛盾なく説明するために、「アキレスと亀」のたとえを用いた b:それが伝える事柄について、正しい理解をすでに自分が持っているということを確認させてくれる
- a:プラトンが、人の魂の本来の姿を、翼を持った2頭の馬とその手綱をとる翼を持った御者からなる馬車になぞらえた b:伝達される内容を必ずしも分かりやすくするわけではないけれど、だからこそ自分で考えるきっかけを与えてくれる
- a:上座部の出家者たちは、教えを乗り物にたとえて、広く一切の衆生の救済を目指す自らの教えを「大乗」と呼んだ b:正しい答えがすぐに分からないとしても、比喩の意味を様々に考えることで私たちの視野をさらに広げてくれる
- a:仏教では、法(真理)を説くことを輪の回転にたとえて、ブッダによる最初の説法を「初転法輪」と呼ぶ b:難解な意味内容を正しく理解するために、その解釈はしかるべき権威に委ねたほうが賢明だと教えてくれる
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「a:プラトンが、人の魂の本来の姿を、翼を持った2頭の馬とその手綱をとる翼を持った御者からなる馬車になぞらえた b:伝達される内容を必ずしも分かりやすくするわけではないけれど、だからこそ自分で考えるきっかけを与えてくれる」です。
a:プラトンは、人間の魂は理性・気概・欲望の3つからなり、「一方が気概、もう一方が欲望という翼をもった2頭の馬がおり、制御する人間が理性である」とたとえました。
b:上記のAとBの会話で、「比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。」「分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。」と述べられていることから、正解が導けられます。
各選択肢の解説は以下の通りです。
不適切
a:ゼノンが「アキレスと亀」のたとえを用いたのは、運動や変化の論理的な矛盾を説明するためです。
b:本文にこのような記述はありません。
適切
解説は冒頭の通りです。
不適切
a:上座部仏教は、戒律を守り、自らが悟りに達することを重視しており、小乗仏教とも呼ばれています。大乗仏教とは、戒律を柔軟に解釈し、すべての人々の救済を目指す部派のことです。
b:本文にこのような記述はありません。
不適切
a:適切です。
b:本文にこのような記述はありません。
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