大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問36 (倫理(第1問) 問5)
問題文
次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。
A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。
下線部eに関して、AとBは図書館で見付けた次の資料1・2について後の会話を交わした。会話中のa・bに入る語句の組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
資料1 旧約聖書「詩編」より
主は私の羊飼い。/私は乏しいことがない。/主は私を緑の野に伏させ/憩いの汀(みぎわ)*に伴われる。/主は私の魂を生き返らせ/御名にふさわしく、正しい道へと導かれる。/たとえ死の陰の谷を歩むとも/私は災いを恐れない。/あなたは私と共におられ/あなたの鞭(むち)と杖が私を慰める。
*汀:陸地が水に接する所
資料2 新約聖書「ヨハネによる福音書」より
ヨハネ*は、自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。……」
*ヨハネ:弟子のヨハネではなく、イエスに洗礼を授けたヨハネのこと
A:資料1の「主」は、十戒にもあるように、( a )を指しているよね。当時は、羊や羊飼いのいる風景が想像しやすかったんだろうな。資料2でイエスが「神の小羊」と言われているのはどういう意味だろう?
B:イエスの時代のユダヤ教では「過越祭(すぎこしさい)」の時に、生贄(いけにえ)として羊を捧げる風習があったんだって。それを踏まえると資料2では、その羊のイメージが「イエスは( b )」という考えと結び付けられているんじゃないかな。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問36(倫理(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、AとBが図書館からの帰り道に交わしたものである。
A:エクレアの比喩について考えさせるって、いい課題だったね。それをきっかけに哲学や宗教で使われている、色々な比喩やたとえを調べてみたら、面白かったもの!e 聖書にあるような羊や羊飼いの比喩では、ユダヤ教とキリスト教が生まれた時代や場所についてもイメージが膨らむね。
B:だからと言って、比喩によって、その思想家の言いたいことが手軽に理解できるようになるってわけではないよね。たとえばf 荘子のたとえを集めた本を読んでみたけど、荘子の主張が分かりやすく表されているとは言えないと思う。でも、情景が生き生きと描かれていて、意味をあれこれ考えてみることができるのは面白いな。
A:g ブッダとイエスの教えみたいに、直接的な言葉で表現するのが難しい内容だからこそ、比喩やたとえを使う場合もあるんじゃないかな。とはいえ、分かったような気になっているだけで、実は全然分かっていないのかもしれないけど…。
B:分かったような気になれたってことは、その内容に少しは近づけているんだと思うよ。そもそも、今まで考えもしなかったことについて考えるようになったというところに意味があるんじゃないかな。
A:そうか、確かにそうかもね。じゃあ、借りてきた本をもう少し一緒に読んでみようよ。
下線部eに関して、AとBは図書館で見付けた次の資料1・2について後の会話を交わした。会話中のa・bに入る語句の組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
資料1 旧約聖書「詩編」より
主は私の羊飼い。/私は乏しいことがない。/主は私を緑の野に伏させ/憩いの汀(みぎわ)*に伴われる。/主は私の魂を生き返らせ/御名にふさわしく、正しい道へと導かれる。/たとえ死の陰の谷を歩むとも/私は災いを恐れない。/あなたは私と共におられ/あなたの鞭(むち)と杖が私を慰める。
*汀:陸地が水に接する所
資料2 新約聖書「ヨハネによる福音書」より
ヨハネ*は、自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。……」
*ヨハネ:弟子のヨハネではなく、イエスに洗礼を授けたヨハネのこと
A:資料1の「主」は、十戒にもあるように、( a )を指しているよね。当時は、羊や羊飼いのいる風景が想像しやすかったんだろうな。資料2でイエスが「神の小羊」と言われているのはどういう意味だろう?
B:イエスの時代のユダヤ教では「過越祭(すぎこしさい)」の時に、生贄(いけにえ)として羊を捧げる風習があったんだって。それを踏まえると資料2では、その羊のイメージが「イエスは( b )」という考えと結び付けられているんじゃないかな。
- a:預言者 b:イスラエルの民を導いてカナンの地に向かった
- a:預言者 b:人々の堕落を批判し律法を厳格に守ることを求めた
- a:預言者 b:その死によって人間の原罪を代わりに償った
- a:神 b:イスラエルの民を導いてカナンの地に向かった
- a:神 b:人々の堕落を批判し律法を厳格に守ることを求めた
- a:神 b:その死によって人間の原罪を代わりに償った
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