看護師の過去問
第103回
午前 問54

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

広汎子宮全摘術後の性機能障害に対する看護で適切なのはどれか。
  • 性生活に関する指導はパートナーにも行う。
  • 性行為は手術後約2週間で再開できると説明する。
  • 腟が乾燥している場合は、性行為を避けるよう説明する。
  • 性に対する不安を患者が表出するまで、性の話題を避ける。

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この過去問の解説 (3件)

01

広汎子宮全摘術は、子宮体癌のII期およびIII期で行われる手術です。切除する範囲は卵管、卵巣、腟および子宮周囲の組織を含めた広い範囲で子宮を摘出し、骨盤内のリンパ節郭清します。腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行う場合もあります。

1 . 性生活に関する指導はパートナーにも行う。
〇正解
性生活についてはパートナーの理解が大事になります。退院後の生活について説明をする時には、可能であれば最初からパートナーに同席してもらいます。患者さんとパートナーに一緒に指導することで、注意する点もお互いに理解する機会を得ることになります。

2 . 性行為は手術後約2週間で再開できると説明する。
×不正解
性行為ができる時期に関しては創部の治癒の状態などから医師に判断を委ねます。よって、不正解です。

3 . 腟が乾燥している場合は、性行為を避けるよう説明する。
×不正解
手術後であること、膣の一部まで手術で切除していることから、性行為の際に膣が潤いにくくなる可能性があります。その際には、潤滑ゼリー付きのコンドームや潤滑剤を使用すると摩擦による痛みを軽減することができます。よって、不正解です。

4 . 性に対する不安を患者が表出するまで、性の話題を避ける。
×不正解
性に関する内容は表出しにくいです。なので、疑問があるようであれば遠慮せずに質問できること、パートナーとも合わせて退院前に不安を解消できるように看護計画に挙げ、サポートしていく必要があります。よって、不正解です。

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02

広汎子宮全摘術は、ステージⅠ~Ⅲ程度の子宮体癌に対して行われます。子宮と膣の一部、卵巣・卵管、骨盤内のリンパ節、周囲の組織など骨盤壁から近い範囲で切除します。
性生活に影響を及ぼすのは子宮ではなく膣です。広汎子宮全摘術では、子宮を全摘するのはもちろん、膣も切除されます。そのため、性生活にも影響が及ぶことが考えられます。
膣は筋肉でできており、だいたい10~13㎝程の長さがあります。一部が切除され長さが短くなると、伸縮力が低下すると痛みが出現することがあります。卵巣が摘出されると、分泌物が減少するため摩擦の影響で痛みが増すかと思います。潤滑剤を使用して性生活を行うと良いでしょう。

1.性生活に関することはパートナーにも指導する必要があるでしょう。周囲のサポートが大切です。
2.一概に2週間で再開できるとは言えません。創部の回復程度を見ながら医師が決定することでしょう。
3.上記にあるように、潤滑剤を使用して行うと痛みが軽減されるでしょう。
4.表出しづらい事柄ですが、看護師が折を見て援助していく必要があるでしょう。表出されるまで待っていては、退院するまで表出されないかもしれません。看護師から退院後の生活を見据えて、パートナーも一緒に援助、指導する必要があるでしょう。

参考になった数0

03

術後障害は、膣容積・分泌物の減少や、性器感覚の低下によるオルガスムスの減退などがあります。
しかし、潤滑油を使用した性生活は可能です。
なお術後の看護指導とは、退院後の日常生活を問題なく行ってもらうことが目的なので、本人だけでなく常に周囲のサポートを考慮しましょう。特に婦人科疾患は、パートナーの協力が必要です。したがって、1が正解です。

以下、他の選択肢が不正解である理由です。↓
2 術後の状態は個人差があります。2週間とは画一的に言い切れず、正確な日数は医師の診断によって決まりますので、看護師から伝えることはできません。
3 膣が乾燥している場合は、潤滑油を使用し性行為をすることができます。
4 表出し辛い話題であるからこそ、看護師が様子を見ながらサポートを行います。患者への配慮は当然のことですが、退院後の生活を見据えて、必要に応じてリエゾンナースのカウンセリングを受けたり、チームミーティング等で患者への対応を考えていくことも看護計画として必要です。

参考になった数0