看護師の過去問
第103回
午前 問53
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問題
看護師国家試験 第103回 午前 問53 (訂正依頼・報告はこちら)
運動神経の刺激の伝達経路を図に示す。
Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群(Guillain-Barré syndrome)で主に障害される部位はどれか。
Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群(Guillain-Barré syndrome)で主に障害される部位はどれか。
- ア
- イ
- ウ
- エ
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この過去問の解説 (3件)
01
感染症やワクチン接種によって免疫反応が作動し、人間の神経を攻撃してしまう抗体(自己抗体)が作られてしまうことがあります。これが神経を障害することで発症すると言われています。主に筋肉を動かす運動神経が障害されます。よって解答は2.イ(下位運動ニューロン)です。
1.上位運動ニューロンです。上位運動ニューロンは中枢神経です。ちなみに下位運動ニューロンは末梢神経です。上位・下位運動ニューロンが障害される疾患は筋委縮性側索硬化症(ALS)です。上位だけでは原発性側索硬化症があります。ALSは難病とされており、家族歴があるということも分かっていますが、多くはまだまだ研究中の疾患です。筋委縮と筋力低下が主な症状です。呼吸筋の障害によって人工呼吸管理を行う必要がある場合もあります。
3.神経筋接合部です。この部位の障害は重症筋無力症です。先天性と後天性があります。先天性では、神経筋接合部のアセチルコリン受容体の欠損や異常により起こります。後天性は、アセチルコリン受容体に対する抗体が産生され、受容体の機能が低下することで起こります。
4.骨格筋です。この部位の障害は筋ジストロフィーです。筋ジストロフィーは骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称です。筋肉の機能に不可欠な遺伝子に変異が生じたために起こる疾患です。遺伝子に変異が生じると、蛋白質の機能が障害されるため、細胞の正常な機能を維持できなくなり、筋肉の変性壊死が生じます。その結果筋力が低下し運動機能など各機能障害をもたらします。
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02
1 . ア ×不正解:上位運動ニューロン
主に大脳から脊髄にあるニューロンで腱反射亢進、痙縮、病的反射などの症状が出ます。主な疾患に原発性側索硬化症が挙げられます。
2 . イ 〇正解:下位運動ニューロン
脊髄から筋肉にわたるニューロンです。この部位が障害されると筋萎縮、線維束性収縮といった症状が出ます。主な疾患にギランバレー症候群や脊髄性筋萎縮性症が挙げられます。
よって、この選択肢が正解です。
※筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、上位・下位運動ニューロンの両方が障害されます。
3 . ウ ×不正解:神経筋接合部
神経は神経信号のアセチルコリンを放出し、筋肉はその信号を受け取り筋肉が収縮します。
この部分が障害される主な疾患は重症筋無力症やボツリヌス症です。
4 . エ ×不正解:骨格筋
骨格筋が障害されると、筋力低下や筋肉の萎縮が看られます。この部分が障害される主な疾患が筋ジストロフィーです。
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03
各部位が損傷された場合の代表的な疾患は、以下のとおり覚えておく必要があります。
ア・イ(上位・下位ニューロンの損傷)は、「筋萎縮性側索硬化症」
イ(炎症性の末梢神経障害)は、「ギラン・バレー症候群」
ウ(筋肉側のアセチルコリン受容体での伝達障害)は、「重症筋無力症」
エ(筋肉自体の萎縮と筋力低下)は、「筋ジストロフィー 」
したがって、ギランバレー症候群は「イ」が回答となります。
なおギランバレー症候群は、難病指定されてますが、比較的発現頻度は高いです。四肢の運動神経障害が主な症状でほとんどが軽度ですが、重症化すると生命に関わります。看護を行う際のポイントは、重症化しないかどうか観察を行うことが求められます。
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