看護師の過去問
第103回
午前 問69

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問69 (訂正依頼・報告はこちら)

認知行動療法で最も期待される効果はどれか。
  • 過去の心的外傷に気付く。
  • 薬物療法についての理解が深まる。
  • 物事の捉え方のゆがみが修正される。
  • 自分で緊張を和らげることができるようになる。

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この過去問の解説 (3件)

01

認知行動療法はある出来事に対して、認知、それに対する感情そして結果としての行動を調節することを目的としています。
特に、認知の歪みが起こることで生じる(特にネガティブな考え方)、つらい感情を軽減するために、認知や行動を変化させていくのが認知行動療法の基本的な考え方です。うつ病、パニック障害、社交不安障害、PTSDなどでよく使われます。

1 . 過去の心的外傷に気付く。
×不正解
過去の心的外傷に気が付くだけでなく、そこから効果的な認知、そして行動の変化をもたらす必要があります。よって、不正解です。

2 . 薬物療法についての理解が深まる。
×不正解
認知行動療法では薬物を使用しません。しかし、薬物療法と同じような効果が得られ、治療だけでなく再発予防にも役立ちます。よって、不正解です。

3 . 物事の捉え方のゆがみが修正される。
〇正解
必要以上にネガティブにとらえ、それがマイナスの行動となってしまうことで問題を悪化させている可能性があります。そのネガティブにとらえること(認知)を修正し、より良い行動に結び付けていけるようにするのが、認知行動療法の目的です。よって正解です。

4 . 自分で緊張を和らげることができるようになる。×不正解
自分で緊張を和らげられるようになるのは、リラクセーション法です。漸進的筋弛緩法、自律神経法、呼吸法、モデリング法、バイオフィードバック法などがあります。よって、不正解です。

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02

「認知」とは、「ものの見方、とらえ方」のことを言います。私たちは過去の知識や経験に基づいて、現在の状況を推論したり、判断したり、解釈したりしています。例えばメールを出した相手から1週間返事が来ないと「嫌われているに違いない」と悲観的に考えてしまう人がいますが、相手は単に忙しいだけかもしれません。こうした、認知のゆがみを修正していこうとする、感じている恐怖が自分の思い込みであることを学び、できる行動を増やしていくことを認知行動療法と言います。よって、3.が正解です。

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03

認知行動療法とは、「認知」のゆがみを矯正する精神療法です。ここで言う「認知」とは、物事の受け取り方や考え方のことです。同じ物事を体験をしても、人によって、それをどのようにとらえるかで、反応や行動が異なります。例えば、他人と目があった場合、物事を被害的に捉える傾向にある人では「自分が悪いことをしたので睨まれた」と受け取るとします。このような受け取り方をすることで、自分の行動が抑制されたり、他人に対して攻撃的になってしまうとすれば、この「物事の受け取り方(=認知)」そのものは見直す必要があります。これが、「認知行動療法」です。したがって、3が正解です。

以下、他の選択肢が不正解である理由です。↓
1 認知行動療法を行うなかで、自分の認知のゆがみの原因が「過去の心的外傷にあった」と気付くことはあるかもしれませんが、それが認知行動療法の主目的ではありません。認知を矯正させることが目的です。したがって、1は不正解。
2 認知行動療法の目的は、薬物療法について理解を深めることではありません。3は不正解。
4 認知行動療法を行った結果、自分が緊張しやすい状況を理解し、対処できるようになることはあるかもしれませんが、それだけが認知行動療法の目的ではありません。したがって4は不正解。

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