看護師の過去問
第103回
午前 問71
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問題
看護師国家試験 第103回 午前 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
現在の日本の精神医療について正しいのはどれか。
- 精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのはうつ病(depression)である。
- 人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では低い水準である。
- 各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。
- 精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。
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この過去問の解説 (3件)
01
×不正解
厚生労働省が公表しているデータでは、統合失調症が最も多い入院理由です。平成26年では精神疾患を有する入院患者総数31.3万人にたいして、統合失調症は16.6万人で約半数を占めています。
よって、不正解です。
2 . 人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では低い水準である。
×不正解
精神病床数はOECD加盟国中で最も多いです。2019年に発表されたデータでは、日本は1000人中2.6床で飛びぬけて多いです。
他の国の状況としては、ドイツが同1.3床、カナダ、フランス、イタリア、イギリス、アメリカは同1.0床未満です。
よって、不正解です。
3 . 各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。
〇正解
精神保健福祉センターは精神保健福祉法によって、各都道府県に設置することが定められています。
よって、正解です。
4 . 精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。
×不正解
精神障害者保健福祉手帳を持っていると、所得税、住民税、相続税の控除や住んでいる地域によっては鉄道、バス、タクシー等の運賃割引などのサービスがあります。
しかし、外来通院の医療費の給付は精神障害者保健福祉手帳制度によって行われません。自立支援医療(精神通院医療)によって、外来やデイケア、訪問看護など病院など入院しないで行われる医療に対して医療費の軽減を受けることができます。
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02
以下、他の選択肢が不正解である理由です↓
1 精神科の入院患者で最も多いのは統合失調症です。
2 OECD加盟国の中では、精神病床の多さは日本が一番です。長期入院などで退院できない患者が多いことは、精神科医療の根深い問題です。
4 精神障害者保健福祉手帳制度による医療費の給付は行われません。精神障害者保健福祉手帳は、バス乗車時に提示すれば運賃が割り引かれる、美術館等の公共施設の入館料が割り引かれるなどの割引や、税金の控除・減免がされる、生活福祉資金の貸与などが対応です。外来通院の医療費の補助は、障害者総合支援法が対象の制度です。
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03
2.平成23年前後のOECDの報告書によると、人口10万人当たりの精神科病床数は、OECD平均で68床、それに対し日本は269床と突出しており、「脱施設化」が遅れています。
3.精神保健福祉センターとは、地域の精神保健のために、相談、指導、啓発、調査、手帳の申請に対する判定などを行う公的機関です。医師、精神保健福祉士、臨床心理士、保健師、看護師、作業療法士などからなります。精神保健福祉法第6条によって各都道府県、または政令指定都市に設置するよう規定されています。
4.精神障害者保健福祉手帳制度とは、「一定の精神障害の状態にあるために、日常生活もしくは社会生活に一定の制約がある」ことを認定して交付することで、各種の支援策が講じられることや、精神障害者の社会復帰の促進と自立と社会参加の促進を図ることを目的とされています。公共料金等の割引、税金の控除・減免などのサービスが受けられます。医療費に関しては自立支援医療費として自己負担上限額管理表を提示すれば、指定医療機関において認定された通院医療費にかかる医療費の自己負担額が10%となる制度があります。精神障害者保健福祉手帳制度と医療費は関係ありません。
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