看護師の過去問
第103回
午前 問96

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問96 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症(cholelithiasis)と診断され、腹腔鏡下胆囊摘出術予定で入院した。Aさんは身長152cm、体重70kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症(dyslipidemia)を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない。

Aさんの術後の経過は良好で、退院の許可が出た。退院後の日常生活に関する説明で正しいのはどれか。
  • 「低蛋白食を摂取してください」
  • 「退院後1週間、シャワー浴はできません」
  • 「脂肪分の多い食事で下痢をするかもしれません」
  • 「傷口が赤く腫れてきたら、消毒をしてください」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 です


1:胆嚢を摘出しても、特にタンパク質を制限する必要はありません。反対に、創部の治癒のためにという視点から考えると、タンパク質は重要な栄養素ともいえるため、この説明は誤りです。


2:傷口を強くこすったりするわけでもないなら、出血や炎症の兆候がない限りは術後数日でシャワーだけでなく、入浴も可能になります。退院した後も1週間もシャワーを制限する必要はありません。


3:胆汁は脂肪分の分解・代謝に関わる重要な消化液です。胆嚢はあくまでも胆汁を濃縮して貯めておくだけの器官のため、胆汁自体は問題なく分泌されてはいますが、胆嚢があった頃に比べると濃度が薄く分泌量も調整できません。
そのため、術前と同じ感覚で脂肪分を摂取すると、分解が追いつかなかった脂肪分が腸に流れ、下痢を引き起こします。
術後は脂肪分の高い食事は控えるか、数回に分けて摂取するよう説明しましょう。


4:傷口が赤く腫れるのは炎症の代表的な兆候です。皮膚表面はただ赤いだけでも腹腔内で何が起こっているのかは患者様本人には判断しようもないため、そういった症状が起こった場合は自分で対処せず、必ず病院を受診するように説明しましょう。

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02

正解は、3です。

1 胆嚢を摘出後、タンパク質の制限の必要は無いです。

2 傷口の清潔を保つために、シャワー浴はしたほうが良いです。傷口に異常がないか、観察もできます。

3 胆嚢は、胆汁をたくわえる働きがあります。胆汁は、脂肪分を分解する働きがあります。胆嚢を摘出すると、胆汁をたくわえる働きが無くなります。よって脂肪分の多い食事は、下痢をしやすくなります。

4 傷口が赤く腫れた場合は、自分で消毒はせず、診察を受けましょう。医師から適切な処置を受ける必要があります。

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03

1.3.基本的には食事制限をする必要がありません。しかし、下痢になりやすい人がいます。そのような場合は脂肪分の多い食事(卵やバター、脂身の多い肉、てんぷらなど)は避ける必要があります。胆嚢は胆汁をたくわえる必要がありますが、取り除くと当然ながら胆汁をたくわえることができなくなります。胆汁は脂肪の消化・吸収を助ける働きがあるため、それができなくなると下痢になるというわけです。脂肪分の多い食事を食べた翌日に下痢になるということがある人がいます。だいたい術後3カ月程度で落ち着くという報告もあるようです。
2.傷口をひどくこすったり、特に感染徴候がある場合を除いて、術後3日程度で入浴も可能となります。
4.傷口周辺が赤く腫れている場合、代表的な感染徴候です。病院を受診するよう指導しましょう。

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