看護師の過去問
第103回
午前 問97
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
看護師国家試験 第103回 午前 問97 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。Aさんは1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住むAさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。
Aさんは入院直後、Mini-MentalStateExaminatio〈nMMSE〉30点であった。
さらに情報収集のために用いるアセスメント方法で適切なのはどれか。
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。Aさんは1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住むAさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。
Aさんは入院直後、Mini-MentalStateExaminatio〈nMMSE〉30点であった。
さらに情報収集のために用いるアセスメント方法で適切なのはどれか。
- DBDスケール〈DementiaBehaviorDisturbanceScale〉
- Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類
- GDS〈GeriatricDepressionScale〉15
- Borg〈ボルグ〉スケール
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1 DBDスケールは, 認知症に伴う行動異常の客観的評価や経過観察の方法として信頼性が高く, 介護負担も反映しうる有用な評価法です。Aさんの状態から認知症と判断しにくいので、優先的に行う評価法ではありません。
2 ホーエン・ヤールの重症度分類は、パーキンソン病の重症度を表す指標です。パーキンソン病による身体症状の出現が見られないため、Aさんに行う評価法ではありません。
3 GDS-15は、うつのスクリーニング検査として、よく使用されている検査です。Aさんは、食事摂取量の不明と抑うつ状態が見られるため、この検査法を優先して行う必要があります。
4 ボルグスケールは、運動強度を測定する指標です。発熱によりぐったりしているAさんには、適さない検査です。
参考になった数3
この解説の修正を提案する
02
1.DBDスケールとは、認知症にしばしばみられる問題行動についての質問28項目からなるスケールです。112点満点で、得点が高いほど問題行動が多いということになります。たとえ1点でも問題行動があるということになりますので、異常とか正常とかはなく、1点でも増えていれば悪化している、1点でも減少していれば改善しているとなります。このスケールは介護者が観察しうる行動異常に限定しているという特徴があります。
2.Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類とは、パーキンソン病の進行度を示す指標です。Ⅰ~Ⅴ度まであり、だんだん重症になります。Ⅱ度から日常生活に支障が出てきて、Ⅲ度では転びやすくなる、Ⅳ度は日常生活に介助がかなり必要、Ⅴ度は車椅子生活になる、などになります。
3.GDS(老年期うつ病評価尺度)はうつ症状のスクリーニング検査です。30問あって時間がかかる点がデメリットですが、それを15の質問に短縮したのがGDS15です。はい、いいえでこたえられる質問で、過去1週間の気分に最も近い答えを選んでもらいます。0~4点:うつ症状なし、5~10:軽度うつ状態、11~15:重度うつ状態となります。
4.ボルグスケールとは、安静時・入浴時・運動時など日常生活の場面で患者の呼吸困難の主観的評価として用いるスケールです。
Aさんは夫を亡くすなどうつ症状が出る因子があります。高齢者のうつ病の特徴である、意欲や集中力の低下、認知機能の低下、気分の落ち込みやうつ状態が目立たない、身体的な不調(疲労感や不眠、食欲低下など)がAさんにも見られます。高齢者のうつ病は認知症と非常に間違いやすいため、見分ける必要があります。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
03
1:DBDスケールは介護者から見た異常行動の頻度を問う質問であり、認知症の問題行動を評価する際に使用されます。
問題文中にある「食事をした形跡がない」「ごみが捨てられていない」という行動が発熱によるものか認知症によるものか切り分けるためには、必要かもしれませんが、このAさんに対して受診時すぐに行う必要性は感じられません。
2:Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類は、パーキンソン病の進行度を測るための指標です。パーキンソン病の症状のひとつには確かに抑うつもありますが、この分類の優先順位はそう高くありません。
3:GDS15は「老年期うつ病評価尺度」といい、15個の質問からなるうつ病のスクリーニングとして、非常に信頼性の高い評価法です。
この評価法ひとつで、確定診断を行うわけではありませんが、現在のAさんの状態をアセスメントするにあたり、非常に有用な指標となります。
4:Borg〈ボルグ〉スケールは運動の強度を本人の苦痛の度合いから評価する尺度であり、発熱状態のAさんに行う必要性はないでしょう。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
前の問題(問96)へ
第103回問題一覧
次の問題(問98)へ