看護師の過去問
第103回
午前 問103

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問103 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aちゃん(1歳0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷(burn)を負ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは、体温36.8℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、血圧90/60mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。

Aちゃんの前胸部と右前腕には発赤と一部に水疱がみられ、看護師が創部に軽く触れると激しく泣いた。
Aちゃんの熱傷(burn)の受傷深度として考えられるのはどれか。
  • Ⅰ度
  • 浅達性Ⅱ度
  • 深達性Ⅱ度
  • Ⅲ度

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この過去問の解説 (3件)

01

熱傷深度は3段階あります。
Ⅰ度    発赤 疼痛のみ
浅達性Ⅱ度 発赤 水泡 強い痛みあり
深達性Ⅱ度 やや白 水泡 知覚鈍麻
Ⅲ度    黒 炭化 無痛

1.×
 Aちゃんの熱傷は水泡形成されているので、Ⅱ度以上です。

2.○
 発赤、疼痛、水泡の形成があるため、浅達性Ⅱ度が正解です。

3.×
 深達性Ⅱ度は痛みが鈍麻してきます。Aちゃんは激しく泣くほど痛みが強いため、不正解です。

4.×
 Ⅲ度は炭化し黒く、無痛になるので不正解です。

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02

皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造です。

熱傷には複数の分類法がありますが、初期の診断で一般的に利用されるのは深さによる分類です。

第Ⅰ度熱傷(表皮熱傷): 皮膚の表層までの損傷
発赤・腫脹・疼痛と灼熱感の訴えがあります。水疱はできず、数日で傷跡を残さずに治ります。

第Ⅱ度熱傷:皮膚の真皮層までの損傷で、受傷後数時間たつと、発赤の上に大小の水疱を作ります。さらに、浅層と深層に分類されます。
① 真皮浅層熱傷:疼痛があり、色素脱失・色素沈着を残します。
② 真皮深層熱傷:水疱形成はありますが、知覚鈍麻があります。約2~8週間で瘢痕治癒します。
      
第 Ⅲ度熱傷(皮下熱傷):皮膚全層の損傷
熱傷部は焼痂もしくは壊死となります。水疱形成はなく、無痛性です。
約2~4週間で焼痂が分離し、肉芽組織となります。

Aちゃんの熱傷では水疱と疼痛があるので、答えは2です。

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03

熱傷の程度の説明をします。

Ⅰ度、Ⅱ度(浅層、深層)、Ⅲ度に分類されます。

Ⅰ度のケースですと紅斑のみの例で数日で治癒する状態です。

設問では水泡を形成とされているためⅠ度よりも受傷の程度は重いことが考えられます。

Ⅲ度については組織が壊死してしまう状態で植皮術が必要な例ですので水泡でとどまっているためⅢ度ではないと判断できます。

残るのはⅡ度の浅層か深層かになり、浅層では水泡形成、深層ではびらんを形成します。

設問には水泡が形成されたとあるので回答は2.を選択します。

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