看護師の過去問
第103回
午前 問107

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問題

看護師国家試験 第103回 午前 問107 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aちゃんは、在胎37週0日に正常分娩で体重3,200gで出生した。AちゃんのApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。出生時は、体温37.1℃、呼吸数42/分、心拍数154/分であり、頭部に産瘤があった。Aちゃんの両親の血液型はB型Rh(+)である。

生後3日。Aちゃんは母乳をよく飲み、体重3,050g、体温37.2℃、呼吸数34/分、心拍数136/分である。昨日は排尿6回、排便4回であった。Aちゃんの母親は、Aちゃんの顔の黄染を心配している。Aちゃんの血液検査データは血清総ビリルビン13mg/dlである。
Aちゃんの母親への説明で適切なのはどれか。
  • 「生理的な黄疸です」
  • 「早発性の黄疸です」
  • 「光線療法を受けると思います」
  • 「頭のこぶで黄疸が強くなります」

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この過去問の解説 (3件)

01

1.○
 生理的黄疸とは、生後2~3日で出現し、7日程度持続して自然消失する黄疸のことをいい、9割の新生児に見られます。
 Aちゃんの黄疸も生理的黄疸に当てはまります。

2.×
 早発性黄疸とは、生後48時間以内に見られる黄疸をいいます。

3.×
 生理的黄疸のなかでも、血中のビリルビン値が16mg以上になると、予防的にからだに光線をあて、ビリルビンの処理を促進する光線療法が選択されます。基準値だけでなく、新生児の日齢や出生体重、呼吸状態などによっても異なります。
 Aちゃんは、13mg/dlなので適応になりません。

4.×
 頭のこぶで黄疸が強くなるのは、産瘤ではなく、頭血腫です。
 

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02

設問から黄染を心配される発言が聞かれます。

黄染があることでそれが問題なのかどうかを考えてみましょう。

まず新生児は出産後3~7日の時期には血液中のビリルビンが上昇する特徴があります。
これを生理的黄疸と呼びます。

では生理的ではない黄疸についてですが、日齢と体重・リルビンの値で異なります。

設問の児の場合は
血清ビリルビンの値は15㎎/dl以上が光線療法の適応がありますが、13㎎/dlであり光線療法の適応はありません。

早発性黄疸なのかということも定義では出生後24時間以内に認める黄疸を指すので3日目の児は早発性黄疸でもありません。

頭部に瘤はありますが、これは産瘤で黄疸を増強させる血腫ではなく分娩によってできたものなので黄疸は増強させません。

以上のことから生理的な黄疸ですので1.が正解です。

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03

1. 〇
生後3~7日目頃までは血中のビリルビン値が上昇するため、肉眼で黄疸が認められます。これを生理的黄疸といいます。

2.✖
早発性黄疸は生後24時間以内に出現する黄疸のことなので、生後3日で黄疸が出現したAちゃんは生理的黄疸になります。

3.✖
光線療法は出生後の日齢と体重、ビリルビン値で適応基準が異なります。出生後3日のAちゃんの体重は3050gなので、適応はビリルビン値15㎎/dl以上になります。よって、現在は光線療法を受ける必要はないです。

4.✖
黄疸が強くなるのは産瘤ではなく、頭血腫です。頭蓋骨と骨膜間に生じた血の塊(血腫)が吸収されるとビリルビン値が上がり、黄疸が強くなります。

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