看護師の過去問
第103回
午後 問153

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問153 (訂正依頼・報告はこちら)

急性左心不全(acute left heart failure)の症状はどれか。
  • 肝腫大
  • 呼吸困難
  • 下腿浮腫
  • 頸静脈怒張

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この過去問の解説 (3件)

01

左心不全となると、全身に拍出される血液量が減少し、肺に血液がたまり肺うっ血となり、やがて水が溜まっていき肺水腫になります。そのため、呼吸困難症状が起きます。したがって、正解は2.呼吸困難となります。

1、2、3→×
右心不全の症状です。

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02

左心不全と右心不全に分類できるのは、急性に生じた病態のみであり、急性期以降は両者が影響し合って病態を形成し、混合した臨床症状を呈します。
左心不全になると、肺から心臓への血液の流れが停滞するため、肺が水びたしになってしまい、呼吸が苦しくなります。急性左心不全に特有な症状は、呼吸困難・さび色の喀痰・チアノーゼ・尿量減少・頻脈があります。
一方、右心不全は全身からの血液が心臓に戻りにくくなります。これにより静脈圧が上昇し、血管から水分が漏れだします。急性右心不全に特有な症状は、頸静脈怒張・胸水・肝腫大・腹水・浮腫があります。

1 . 肝腫大→右心不全の症状となるため、誤りです。


2 . 呼吸困難→左心不全の症状のため、正しいです。


3 . 下腿浮腫→右心不全の症状となるため、誤りです。



4 . 頸静脈怒張→右心不全の症状となるため、誤りです。

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03

正解は2です。

急性左心不全は全身へ血液を拍出する左心機能の低下により、末梢循環不全をきたすものです。肺から全身に送り出されるはずの血液が鬱滞するため、労作時の息切れ、呼吸困難、喘鳴、ピンク色の泡沫痰、動悸など主に呼吸器症状を呈します。

急性右心不全は右心の機能低下により、心臓に流入してくる血液の鬱滞をきたすものです。中心静脈圧が上昇するため、肝腫大、腹水、胸水、頸動脈怒張、下腿浮腫、体重増加などの体循環のうっ血症状を呈します。

1.誤り。肝腫大は急性右心不全の症状です。血液が鬱滞し、中心静脈圧が上昇すると、下大静脈やそれに繋がる肝静脈の血液も鬱滞をきたし、肝腫大を呈します。

2.正解。呼吸困難は急性左心不全の症状です。

3.誤り。下腿浮腫は急性右心不全の症状です。血液が鬱滞し、中心静脈圧が上昇すると、下大静脈やそれに繋がる末梢の静脈の血液も鬱滞をきたし、浮腫を呈します。

4.誤り。頸静脈怒張は急性右心不全の症状です。血液が鬱滞し、中心静脈圧が上昇すると、上大静脈やそれに繋がる鎖骨下静脈の血液も鬱滞をきたし、頸静脈の怒張を呈します。

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