看護師の過去問
第103回
午後 問169

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問169 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(58歳、女性)は、10年前に肺気腫(pulmonary emphysema)を指摘されたが喫煙を続け、体動時に軽い息切れを自覚していた。Aさんは、肺炎(pneumonia)で救急病院に入院し経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉86%でフェイスマスクによる酸素投与(4l/分)が開始された。抗菌薬投与後6日、鼻腔カニューラによる酸素投与(2l/分)でAさんの経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉が94%まで回復した。夜間Aさんは眠れているようだが、早朝に頭痛を訴え、日中も傾眠傾向になった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.誤り。抗菌薬の投与により、酸素飽和度SpO2は94%まで回復していることから、現在の抗菌薬は一定の効果を示しています。抗菌薬の変更は必要ありません。

2.誤り。酸素投与中の頭痛や日中の傾眠傾向などの症状から、CO2ナルコーシスをきたしている可能性が考えられます。この場合、酸素投与量の増加は症状および呼吸状態の悪化を招く恐れがあるため行いません。

3.正解。CO2ナルコーシスの疑いがあることから、ただちに動脈血ガス分析を行い、正確なPaCO2の値を把握する必要があります。

4.誤り。肺炎による呼吸状態は抗菌薬の投与により改善されており、胸部エックス線撮影の優先度は低いです。

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02

1 . 抗菌薬の変更→抗菌薬投与により呼吸状態は改善されており、Aさんの現在の症状と抗菌薬の効果は関連しないため、誤りとなります。

2 . 酸素投与量の増加→呼吸状態は改善しているため、酸素投与量を増やす必要はないと考えられ、誤りとなります。

3 . 動脈血液ガス分析の実施→Aさんの症状からCO2ナルコーシスが考えられます。経皮的動脈血酸素飽和度だけで呼吸状態の評価を行うのではなく、動脈血液ガス分析を実施し評価する必要があります。

4 . 胸部エックス線撮影の実施→Aさんの症状からCO2ナルコーシスが考えられます。胸部エックス線撮影をしても症状の原因検索にはならないため、誤りとなります。

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03

1.×
 SpO2は回復してきており、肺炎自体が悪化している情報はありません。そのため、抗菌薬の変更は必要ありません。
2.×、3.〇
 肺気腫などCOPDの患者には酸素投与は特に慎重さが必要です。SpO2が94%というのは基準値よりは低い値ですが、COPD患者は普段からSpO2が低い状態に体が慣れているため、高濃度の酸素をむやみに投与してしまうとCO2ナルコーシスとなる恐れがあります。日中の傾眠傾向という情報から、AさんはすでにCO2ナルコーシスの症状がでていると思われます。COPD患者の酸素投与量については動脈血液ガス分析でPaCO2の数値を確認していくことが重要です。
4.×
 肺炎症状が改善していることから、X-P検査は急いで行う必要はないでしょう。

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