看護師の過去問
第103回
午後 問190

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問190 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(21歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)と診断され、入院してハロペリドールの投与が開始された。入院後3日、39.5℃の急激な発熱、発汗、筋固縮および意識障害を認めた。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。
  • 昏迷
  • 悪性症候群(malignant syndrome)
  • てんかん発作
  • 静座不能〈アカシジア〉

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この過去問の解説 (3件)

01

1.×
 混迷では意識障害や疎通不良な状態も見られますが、発熱や発汗も伴っているため、混迷とは違う状態と思われます。
2.〇
 抗精神病薬の重要な副作用として悪性症候群があります。急な高熱、発汗、筋固縮、意識障害などは悪性症候群の疑いが強いです。
3.×
 てんかん発作の場合、全身性もしくは部分的なけいれん症状が見られます。Aさんの場合は振戦やけいれん症状が見られないためてんかん発作ではないと思われます。
4.×
 アカシジアも抗精神病薬の副作用の一つですが、手足のムズムズ感やそわそわ感があり、座ったりじっとしていられないような状態のことです。

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02

正解は2です。

1.誤り。昏迷は意識障害のひとつであり、外部刺激に反応ができない状態のことをいいます。
発熱や発汗は伴いません。

2.正解。悪性症候群は発熱や発汗、血圧の急激な変動などの自律神経系の症状、筋固縮や振戦、嚥下障害などの錐体外路症状を主とします。

3.誤り。てんかん発作は過剰な電気的興奮が脳の一部に限定されて起こる発作で、視覚異常や聴覚異常のほか、脱力や筋強直がみられます。
発熱はてんかん発作を誘発する場合がありますが、症状そのものではありません。

4.誤り。アカシジアは服用後数日〜数ヶ月の後に出現するもので、下肢がそわそわする不快な症状がみられ、歩行や運動など体を動かすことでその不快感が軽減されるという特徴があります。
設問ではそうした症状はありません。

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03

ハロペリドールは中枢神経や自律神経の働きを強力に抑制する作用をもち、興奮、幻覚、妄想、不安、緊張といった精神症状を鎮静させる効果があります。通常、統合失調症や躁病の治療に用いられます。

1 . 昏迷→意識はしっかりしているものの、外部からの刺激に反応できない状態をいいます。昏迷は統合失調症の陽性症状として現れるものですが、Aさんの身体症状からは適切ではありません。

2 . 悪性症候群(malignant syndrome)→ハロペリドールの使用による副作用です。三大症状として、発熱、錐体外路症状(筋固縮、振戦など)、自律神経症状(発汗、頻脈、血圧の変動など)があります。重症化すると、死亡に至ることもあるため、早期発見、早期治療が必要となります。Aさんの状態から最も考えられる状態です。

3 . てんかん発作→脳の疾患で大脳の神経細胞が過剰に興奮することで発作症状を引き起こすものです。突然倒れて意識を失い、けいれんを起こすといった大発作と、体の一部が勝手に動いたり会話の途中で意識を失っていたりといった小発作などがあります。Aさんの身体症状に該当するものはないため、誤りとなります。

4 . 静座不能〈アカシジア〉→座ったままでじっとしていられず、そわそわと動きまわるという特徴があります。アカシジアは抗精神病薬などの薬物の投与開始や増量後の数日以内に出現することが多いです。設問においても、ハロペリドール投薬による副作用として起こる可能性はありますが、現時点では症状は出ておらず、誤りとなります。

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