看護師の過去問
第103回
午後 問203
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問題
看護師国家試験 第103回 午後 問203 (訂正依頼・報告はこちら)
Ⅳ型(遅延型)アレルギー反応について正しいのはどれか。2つ選べ。
- IgE抗体が関与する。
- 肥満細胞が関与する。
- Tリンパ球が関与する。
- ヒスタミンが放出される。
- ツベルクリン反応でみられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 IgE抗体が関与しているのは、Ⅰ型アレルギー反応です。皮膚疾患として,蕁麻疹や薬疹の一部(蕁麻疹型反応)などがあります。
2 肥満細胞が関与しているのは、Ⅰ型アレルギー反応です。
3 Ⅳ型(遅延型)アレルギー反応は、抗原に感作したT細胞は記憶細胞となって全身のリンパ系臓器に分布しており,この感作T細胞が組織で同一抗原を提示した抗原提示細胞に出会うと活性化され,サイトカインを産生し局所にマクロファージや白血球を集積させます。
4 ヒスタミンは、アレルギー反応を起こしたときなどに細胞から放出される物質で、IgE抗体によって放出されます。Ⅳ型(遅延型)アレルギーとは関係ないです。
5 Ⅳ型(遅延型)アレルギー反応は、ツベルクリン反応,接触性過敏反応,自己免疫疾患,移植免疫反応などが該当します。
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02
アレルギーは、その反応に関する抗体や細胞の違いにより、Ⅰ~Ⅳに分類されます。Ⅰ~Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫、Ⅳ型は感性リンパ球による細胞性免疫に大別されます。
アレルギーは各型により特徴があるため、自分なりにまとめておくと覚えやすいです。
1:IgE抗体はⅠ型(アナフィラキシー型)アレルギーに関与する抗体です。アレルギーの中でもよく出題される抗体のため、関与する抗体だけでなく対処法もまとめておくとよいです。
2:肥満細胞は炎症や免疫反応などの生体防御機構に関与しています。よって、肥満細胞が関与するのはⅠ型アレルギーです。
3:Ⅰ~Ⅲ型アレルギーは反応の主体が血清であるのに対して、Ⅳ型アレルギーはTリンパ球が主体となります。Ⅳ型アレルギーは遅延型アレルギー、ツベルクリン型とも呼ばれています。皮膚反応としては、24~72時間後に紅斑や硬結を特徴とする炎症反応を示します。
4:ヒスタミンはIgE抗体にアレルゲンが結合することにより、放出される化学伝達物質で、かゆみや炎症反応の原因になります。IgE抗体が関与するアレルギーはⅠ型アレルギーです。
5:Ⅳ型アレルギーはツベルクリン型とも呼ばれています。代表疾患としては、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、天然痘・麻疹の発疹、移植後の拒絶反応などがあげられます。
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03
アレルギーには I型 から Ⅳ型 までがあり、それぞれに関わる抗体や細胞が違います。
それぞれ特徴をまとめて一覧表などにしておくと覚えやすいので、ぜひ自分なりの表現でまとめてみてください。
1:IgE抗体はアレルギー関連の設問や内容で、必ずと言っていいほど出てくる特徴的な抗体ですが、主に I型(アナフィラキシー型)に関わる代表的な抗体のため、しっかりと関連を覚えておきましょう。
2:肥満細胞は I型(アナフィラキシー型)、または Ⅲ型(免疫複合型)の反応に関わる細胞のため、正しくありません。
3:Ⅳ型(遅延型)は他のアレルギー反応が血清中に存在する抗体が作用するのと違い、リンパ球の一種であるT細胞が反応て引き起こされます。
T細胞が集まり、増殖し、活性化するまでに時間を必要とするため症状が出てくるのも遅い、と覚えればよいでしょう。
一般的には症状の発現までは24時間~48時間を必要とし、発赤や硬結が主な症状となって現れます。
4:ヒスタミンはかゆみや炎症反応などのアレルギー反応を引き起こす化学物質で、IgE抗体によって放出されるため、 Ⅳ型とは関係ありません。
ちなみにT細胞が反応することで放出されるのはサイトカインです。
5:Ⅳ型(遅延型)アレルギーが関わる疾病はツベルクリン反応の他にも接触性皮膚炎、金属アレルギー、薬物アレルギー、移植後の免疫反応などがあります。
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