看護師の過去問
第103回
午後 問206

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問206 (訂正依頼・報告はこちら)

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)と比べたCrohn〈クローン〉病(Crohn disease)の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 悪性化の頻度は低い。
  • 瘻孔を併発しやすい。
  • 初発症状は粘血便である。
  • 炎症は大腸に限局している。
  • 好発年齢は50歳以上である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1と2です。

潰瘍性大腸炎もクローン病も、消化管の炎症疾患です。
それぞれの特徴を把握しておく必要があります。

1:クローン病は消化管すべてに発症する可能性があり(回腸末端部に好発)、根治療法がなく、長期に渡り、治療が必要になりますが、悪性度は低いです。潰瘍性大腸炎は主に大腸粘膜を侵し、緩解期と活動期を繰り返します。10年以上経過した潰瘍性大腸炎では発癌のリスクが高まります。

2:クローン病は全層性の炎症性病変であり、瘻孔を生じやすいです。潰瘍性大腸炎は粘膜層に限局した炎症性病変のため、瘻孔は生じません。

3:クローン病の主な症状は腹痛(右下腹部痛)や下痢、発熱であり、初期から粘血便を伴うことはありません。

4:クローン病は全消化管に発症する可能性があります(好発は回腸末端部)。潰瘍性大腸炎は直腸~全大腸が好発部位になります。

5:クローン病・潰瘍性大腸炎共に好発年齢は若年成人であり、クローン病は20歳代にピークが認められます。

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02

正解は 1・2 です


潰瘍性大腸炎とクローン病は、共に消化器系に起こる炎症で、症状も似通った部分が多いために混同しがちです。しっかりと特徴を理解したうえで、切り分けて覚えましょう。
今回正しいとされているのはクローン病の特徴です。


1:クローン病は大腸だけでなく、消化器官全てに発生する可能性のある原因不明の炎症で、悪化と寛解を長期間に渡って繰り返しますが、悪性化の頻度は高くありません。
反対に潰瘍性大腸炎では概ね7~10年程度経過すると、大腸癌が発生する頻度が高くなります。


2:潰瘍性大腸炎の潰瘍は粘膜だけに留まり、浅く地図状に広がりますが、クローン病は粘膜の奥の筋層へも到達する縦に長い瘻孔が特徴です。


3:クローン病の初期の主な症状は腹痛や下痢ですが、初期からいきなり粘血便が主症状として現れることはありません。
また消化管症状に伴う体重の減少や栄養状態の不良、低蛋白血症や貧血も初期から現れる症状です。


4:大腸だけでなく、口から肛門に至るすべての部位で発症する可能性があるのがクローン病の特徴です。


5:年齢は10~20代の若年層に好発し、女性よりも男性の患者が多いのが特徴です。

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03

正解は、1と2です。

1 潰瘍性大腸炎は、発病して7-8年すると大腸癌を合併することがあります。クローン病は潰瘍性大腸炎と比較すると、悪性化する頻度は低いです。

2 クローン病は、腸管の全層に潰瘍は深く進むので、腸と、腸・皮膚・膀胱・膣などとの間に瘻孔を併発しやすいです。

3 クローン病の主な初発症状は腹痛、下痢、全身倦怠感、発熱などです。進行すると、粘血便の症状が出現します。

4 口から肛門まで、全消化管に炎症性の潰瘍などの病変ができます。

5 好発年齢は、20代であることが多いです。

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