看護師の過去問
第103回
午後 問213
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問題
看護師国家試験 第103回 午後 問213 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(48歳、男性、会社員)は、8年前から高血圧症(hypertension)、脂質異常症(dyslipidemia)および労作性狭心症(angina of effort)に対して内服治療をしていた。胸部絞扼感が時々出現するため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を実施することになった。Aさんは身長165cm、体重80kgである。午前9時過ぎから左橈骨動脈を穿刺し、狭窄部位である左冠状動脈にステント留置術が行われ、午前11時ころに終了した。
術後3日に退院することになった。
Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。
Aさん(48歳、男性、会社員)は、8年前から高血圧症(hypertension)、脂質異常症(dyslipidemia)および労作性狭心症(angina of effort)に対して内服治療をしていた。胸部絞扼感が時々出現するため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を実施することになった。Aさんは身長165cm、体重80kgである。午前9時過ぎから左橈骨動脈を穿刺し、狭窄部位である左冠状動脈にステント留置術が行われ、午前11時ころに終了した。
術後3日に退院することになった。
Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。
- 「職場復帰は2週間後からにしましょう」
- 「3か月後の目標体重を65kgにしましょう」
- 「狭心症(angina pectoris)の症状が再度現れる可能性があります」
- 「退院後に穿刺部から出血する危険性があります」
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この過去問の解説 (3件)
01
1 PCI後、異常がなかったので、職場復帰は退院後から可能です。ただし、心負荷がかかるような仕事の場合は、主治医と相談をしましょう。
2 Aさんの身長から標準体重を計算すると、59,9kgが適正体重となります。適正体重={(身長m)×(身長m)}×22
3 経皮的冠動脈形成術後、狭窄した冠動脈が拡張しても再狭窄を起こす可能性もあります。そのため、狭心症の症状が再度現れることもあります。
4 穿刺部の観察をし、異常がないか確認をしてから退院となるため、退院後に穿刺部からの出血の可能性は低いです。
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02
1:元々の仕事が激しい運動を伴う場合(スポーツや重い荷物の運搬などで心肺への負担が激しいような場合)は医師と相談する必要があるかもしれませんが、基本的には退院翌日には職場復帰が可能なため、この選択肢は誤りです。
2:標準体重を求める公式(標準体重=(身長×身長×22÷10,000)で計算すると、Aさんの身長での目標体重は59.9kgとなりますので、目標は60kgとします。
3:経皮的冠動脈形成術〈PCI〉治療後、一定の割合で数年以内に同一の部分に最狭窄を起こすことが報告されています。
その場合は最施術となることが多く、現在では患者への負担を減らすため、挿入するステントから予防する効果のある薬剤を放出させることにより、一定の効果をあげています。
4:術後3日経過しており、施術当日の止血は確認している状態です。いくら治療後の内服薬として抗血小板薬を服用していたとしても、一度止血された部位に影響するはずもないので、この選択肢は誤りです。
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03
1:仕事は翌日から復帰して大丈夫ですが、心負荷のかかるような重労働の場合は、医師と復帰の時期を相談するのが好ましいです。
2:Aさんの場合、BMI:29.3、適正体重:59.9kgであり、肥満(1度)に該当します。肥満にて心負荷がかかるだけてなく、肥満度が高くなると生活習慣病のリスクが高くなるため、体重コントロールについて、指導する必要があります。
・BMI=体重kg÷{(身長m)×(身長m)}
・適正体重={(身長m)×(身長m)}×22
3:経皮的冠動脈形成術後、狭窄した冠動脈が拡張しても再狭窄を起こす可能性もあります。胸部症状が出現した場合、再狭窄している可能性もあります。また、胸部症状が出現しなくても再狭窄していることもありますので、定期検診はしっかりと受けるように指導する必要があります。
4:穿刺部の止血は施術当日に確認します。術後から抗血小板薬を使用していますが、その影響で穿刺部からの動脈性の出血が起こる可能性はありません。
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