看護師の過去問
第103回
午後 問214

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問214 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(43歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、Aさんは、非Hodgkin〈ホジキン〉(non-Hodgkin lymphoma)リンパ腫と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、Aさんは体温37.5℃、呼吸数18/分、脈拍84/分、血圧124/64mmHgであった。血液検査データは、赤血球302万/μl、Hb10.3g/dl、白血球6,400/μl、総蛋白7.6g/dlであった。

入院当日、Aさんは看護師に「最近、なんとなく手がむくんでいるような気がする」と言う。
Aさんの手のむくみの原因として可能性が高いのはどれか。
  • 発熱
  • 貧血
  • 低蛋白血症
  • 上大静脈の圧迫

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

悪性リンパ腫とは、血液細胞に由来するがんの一つで、白血球の一種であるリンパ球ががん化した病気のことです。全身のいずれの場所にも、病変が発生する可能性があります。
悪性リンパ腫は大きく分類すると、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられ、非ホジキンリンパ腫の方が大半を占めます。

1・2:発熱・貧血は上肢の浮腫の原因と関係ないので、誤りです。

3:低蛋白血症は浮腫の原因としては有名ですが、検査データ上、TP:7.6g/dlと正常値内のため、浮腫をきたす可能性は低いです。(TPの正常値は6.7~8.3g/dl)

4:設問の中に「縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫が確認され」とあり、上大静脈の圧迫により、末梢側(上肢)の血液の還流が悪くなっていることが考えられます。上大静脈への流入血管や圧迫による他臓器への影響を整理しておくとよいでしょう。

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02

正解は、4です。

Aさんは、悪性リンパ腫にて、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫があります。上大静脈の圧迫のために血液が心臓に戻ることが障害され、手のむくみが生じます。

1 微熱がありますが、手のむくみとの関連はないです。

2 貧血によるむくみは、局所的ではなく、全身に現れます。

3 総蛋白の検査データーは、正常値です。低蛋白血症によるむくみは、手だけ限局されることはないです。

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03

正解は 4 です

一般的ながんとは異なり、リンパ組織内にできる腫瘍を悪性リンパ腫と呼びますが、病型を全種合わせると30種ほどになります。
それをさらに大きく分けると、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類に分類され、そのうち約90%を非ホジキンリンパ腫が占めます。


Aさんはすでに設問中で縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫を確認されているため、正しい選択肢は4です。

設問3の低蛋白血症は浮腫の原因としては有名ですが、Aさんの数値は総蛋白7.6g/dlと特に問題なく基準値内のため、紛らわしい選択肢に引っかからないようにしましょう。

全体的な静脈の流れと、縦隔リンパ節と上大静脈の位置関係を理解し、上大静脈が圧迫されると、他にどの静脈が影響を受けるかということを理解するのが正解のポイントです。

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