看護師の過去問
第103回
午後 問217

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問217 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)は、娘と2人で暮らしている。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer Disease)と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌(gastric cancer)と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉16点、Mini-MentalStateExamination〈MMSE〉18点。

Aさんは、術後1日の深夜に大きな声で娘の名前を呼び「ここはどこ」と叫びながらベッド柵をたたく行動がみられた。
このときに最初に行う対応として適切なのはどれか。
  • 上肢の抑制を行う。
  • 睡眠薬を与薬する。
  • 娘に電話して来院してもらう。
  • 病院に入院していると説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です。


Aさんは5年前にアルツハイマー病と診断されてはいますが、だからと言って安易に同意のない拘束や睡眠薬の強制投与という強行手段が行使されて良いわけではありません。
Aさんほどの年齢であれば、既往歴にアルツハイマー病がなくとも、術後にせん妄が出現し、混乱におちいることは珍しくありません。

まずは他の患者様と同じように話をして、落ち着いてもらうよう促し、病院に入院中であること、手術後であることを説明しましょう。

よって、正しい選択肢は4となります。

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02

正解は、4です。

Aさんの様子から、術後せん妄が起きています。環境の変化、不安、臥床安静、術中薬物、睡眠障害などが原因となります。一時的な症状なので、患者さんの不安を軽減させることが必要です。よって、4が正解です。

1,2 上肢の抑制や睡眠薬の投与は、患者さんの興奮をより助長させる可能性があります。転倒事故のリスクなどが高い場合は、考慮することもあります。

3 患者さんの不安を軽減するための方法の1つではあります。しかし、深夜の時間帯なので、家族を配慮し、優先度は低いです。

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03

正解は4です。

アルツハイマー病とは、不可逆的な脳疾患で、記憶や思考力がゆっくりと障害され、最終的には日常の単純作業を行う能力も失われてしまいます。認知症の原因の一つとされています。

Aさんの場合、術後1日目とあるため、アルツハイマー病による認識能力の低下というよりは、術後せん妄が考えられます。術後せん妄は、環境の変化や疼痛・不眠などのさまざまな要因が関係し、誰にでも起こり得るものです。特に、高齢者や認知機能の低下している患者さんは起こりやすいとされています。

1・2:身体拘束や睡眠剤の使用は、不安や錯乱状態を助長してしまう可能性があります。自害他害の危険行動を認め、やむを得ない場合は使用も検討しますが、第一選択としては不適切です。

3・4:家族に来てもらうことで患者さんが落ち着く可能性はありますが、まずは看護師にて現状についてゆっくりと説明し、落ち着いてもらうよう関わることが必要です。看護師の付き添いだけでも落ち着く場合もあります。

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