看護師の過去問
第103回
午後 問218

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問218 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)は、娘と2人で暮らしている。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer Disease)と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌(gastric cancer)と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉16点、Mini-MentalStateExamination〈MMSE〉18点。

術後1週間が経過した。Aさんは日中は病室で眠っていることが多いが、夜間は病棟内の廊下を徘徊している。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
  • 朝は無理に起こさない。
  • 午後にレクリエーション活動を計画する。
  • 夕食の時間を就寝前に変更する。
  • 夜間は病室の天井の電気をつけておく。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、2です。

Aさんは、昼夜逆転している生活を送っています。改善するには、昼間の活動時間を設け、夜間の睡眠を促します。そのため、午後にレクレーションを行うことが望ましいです。

1 朝は起床させ、活動することで、夜間の徘徊を防ぐことができます。

3 夕食の時間を就寝前に変更すると、生活のリズムが乱れます。夕食の時間に食事は摂りましょう。

4 夜間に電気を付けたままにすると、昼夜の区別がつかなくなります。睡眠不足は、アルツハイマーを進行させます。夜間は、常夜灯をつけましょう。

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02

正解は2です。

1:生活リズムを整えることで、夜間の徘徊も落ち着く可能性があります。

2:夜間の入眠を促す意味でも、日中の活動は効果的です。午前中の活動であると午後から眠ってしまうことが考えられるため、午後の活動が好ましいでしょう。

3:夕食の時間は病院内で決まっているため、特別な理由がない限りは、ずらすことはできません。

4:夜間の照明の調節は、睡眠の質に影響を及ぼします。夜間は消灯し、しっかりと休息できるよう環境を整えましょう。

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03

正解は 2 です


1:夜間は徘徊しているとの情報から、朝は特に覚醒に時間がかかるでしょうが、しっかりとした生活リズムに矯正するためにも、朝はしっかり起きてもらうようにしましょう。
生活リズムの乱れはアルツハイマー病の進行を招きかねません。


2:なんとか起きて活動し始めた午前中とは違い、午後は昼食から夕食の間が長く、手持ち無沙汰だと余計に眠気を催すことが考えられます。
娘さんにAさんの趣味に沿ったものを持ち込んでもらったり、軽い運動にもなるようなレクリエーション活動を行うのは夜間の入眠を促す面でも有効でしょう。


3:入院している方の食事の時間は余程の事情がない限りは皆さん一緒です。そんな中1人だけ食事時間を遅くするのは特に意味もなく、逆にスタッフへの不信感を招きかねません。
AさんはHDS-Rは16点 (20点以下で認知症疑い)、MMSEは18点 (23点以下が認知症疑い)と顕著な認知機能の低下があるわけではありませんが、そのような対応を取られれば、アルツハイマー病の悪化を招き、再びせん妄や被害妄想が出現する危険性もあります。倫理的にも、必要のない不快感を与えるべきではないでしょう。


4:眠気には、目の網膜に入ってくる光量も大いに関係しています。そのせいで術後のICU入室時は若い方にもせん妄が現れたりするのです。
日中に太陽光を浴び、夜間は暗い場所で休むというのは人体に必要な体内リズムを作ります。
日中とのメリハリをつけるためにも、夜間はしっかりと消灯し(もちろんトイレなどの必要時には行動できる程度の明かりは残しつつ)入眠を促しましょう。

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